中公新書ラクレ<br> 韓国の若者―なぜ彼らは就職・結婚・出産を諦めるのか

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中公新書ラクレ
韓国の若者―なぜ彼らは就職・結婚・出産を諦めるのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121507013
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C1236

出版社内容情報

先の見えない日韓情勢。一時期は韓国で広がる反日や不買運動が、毎日のように日本のお茶の間を賑わせていた。また『82年生まれ、キム・ジヨン』が日本国内でも翻訳文芸書として異例のヒット、若者を描いたドラマ『梨泰院クラス』が人気を博すなど、これまでと別の角度から、韓国社会についての関心が高まっている。一方、韓国や北朝鮮での現地取材を重ねているのが安氏だ。氏によれば、韓国では大卒高学歴者が国民の8割近くを占めるも、数%しかない大企業に入社できなければ年収200万~300万円台の中小企業で働くか、アルバイトすら奪い合いという格差社会の中、絶望感が拡大。逃避する若者が目指す先の一つが、実はこの日本だという。この本では、韓国の若者を取り囲む過酷な実態を緊急レポート。断言する。「この国(韓国)は地獄(ヘル)だ!」

内容説明

先が見えない日韓情勢。一方、韓国の若者の生き辛さを描いた翻訳文芸書やドラマが日本国内でもヒット。その実態への関心が高まっている。実際、大卒者が国民の8割近くを占めるも多くは希望する職を得られず、アルバイトも奪い合いという格差社会の中で絶望感が拡大。結果として多くの若者が、反日の枠すら越えて日本への就職を選び始めた。彼らを取り巻く過酷な現実を緊急レポート。かの国は地獄(ヘル)か!

目次

第1章 なぜ韓国の若者は苦しいのか
第2章 非恋愛、非SEX、非婚、非出産を掲げる若者たち
第3章 地方と宗教―逃避する若者たちの行方
第4章 目指す先は日本―韓国での就職を諦める若者たち
第5章 日本を選んだ若者たち―反日なんて言ってられない
第6章 韓国の若き成功者たち

著者等紹介

安宿緑[ヤスヤドロク]
東京都生まれ。ライター、編集者。東京・小平市の朝鮮大学校を卒業後、米国系の大学院を修了。朝鮮青年同盟中央委員退任後に日本のメディアで活動を始める。朝鮮半島と日本間の政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様と心の動きに主眼を置く。韓国心理学会正会員、米国心理学修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kan

25
これまで読んできた現代の韓国に関する書籍を復習し、点と点を線にしてくれる一冊だった。個別の聞き取り内容、特に大学生活や就活、生き方や価値観が興味深い。2000年代初頭から非婚主義がムーブメント化したことや、徴兵経験とそのストレス度合いが性役割意識を助長させる研究結果など、現況を鑑み納得のいくことが沢山あった。ソウルで暮らす没入主義の若者が韓国全土の若者の総代表ではないという視点は意識しておきたい。社会的承認が自己決定の基準の人生は苦しいだろうが、多様な価値観をもつ若者も出現しているようで、希望もある。2024/08/16

崩紫サロメ

18
韓国の若者をあつかったルポであるが、現在の日本の若者と非常に似通った構造を持ちつつ、更にそれが強く出ているように感じた。貧富の差の拡大、男尊女卑、同調圧力の強さ、今の日本の若者は知らないかもしれないが、オウム真理教の流行を思わせるような新興宗教の存在。近年の韓国ドラマは性役割にしばられない対等な男女関係を描いているものが多いような印象を受けるが、それは現実にそうだからではなく、平等ではないからこそ、目標として描いているのだろうか、などと考えさせられた。2020/11/13

kenitirokikuti

11
著者は元朝鮮青年同盟中央委員のライターで、朝大卒、アメリカ系大学院卒、米国心理学修士という経歴▲本書はおもに若い韓国人の就職事情をルポしたもの。ほんとはもう少し現地取材を重ねたかったが、コロナ事情で難しくなったようである▲「病理」と呼ぶと言い過ぎだが、金融・商業・不動産・社会保障が弱いまま、ソウルや財閥だけハイパー化が進むという不均衡。あと、民主運動は盛んだが、なんやかんやで偏見や固定観念が強いので小競り合いが起こるってのが実情のようだ。子どもの教育に金をぶっこむのも、有効な投資先がないからではないか。2020/09/17

ののまる

9
受験地獄は知っていたけど、すさまじい多重貧困。どんな高学歴でもたくさんの資格を取得しても、400枚エントリーシートを書き、それでも一次で落とされる就職難。兵役もあるから日本と単純比較はできないが、韓国の「N放世代」は、生きづらそうだ…2022/02/18

lily

9
在日韓国人の著者が今の韓国のリアルをさらけ出した一冊。日本では羨むほどのハイスペックでも書類落ちが当たり前の超学歴社会で、就活のための美容整形は当たり前。また、新羅の骨品制を彷彿とさせる格差社会であり、女性やLGBTへのまなざしは依然として厳しい。こうした鬱屈した環境の中でキリスト教系の新興宗教に走る若者も多いというが、その憂さ晴らしの一つに反日があることは否定できない。李栄薫の言う「反日種族主義」はこうした素地が生み出す側面もあると考えると、我が国のヘイトスピーチを垂れ流す愚か者と根底は同じなのだろう。2020/12/18

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