出版社内容情報
古来、日本人は実在した人物を死後、神へと祀り上げてきた。神社・仏閣に鎮座するのは、空海、安倍晴明、平将門、徳川家康、西郷隆盛、そして名もなき庶民である。しかし、実在すれば誰でも神になれるというわけではない。人が神になるためには、残された人びとが抱く、生前のその人物に対する畏敬や畏怖の念、後世にも伝わる「物語」が何よりも必要となる。十一人の著名な人物とかれらを祀る神社や仏閣を訪れ、「人神」たちに託された「物語」に耳を傾けながら、日本人の奥底に流れる精神を掴みだす。
内容説明
古来、日本人は実在した人物を、死後、神として祀り上げることがあった。空海、安倍晴明、平将門、崇徳院、後醍醐天皇、徳川家康、西郷隆盛、そして名もなき庶民たち―。もちろん、誰でも神になれるわけではない。そこには、特別な「理由」が、また残された人びとが伝える「物語」が必要となる。死後の怨霊が祟るかもしれない、生前の偉業を後世に伝えたい―。11人の「神になった日本人」に託された思いを探りながら、日本人の奥底に流れる精神を掴みだすとしよう。
目次
第1部 見えざる「力」を借りるために―顕彰神(藤原鎌足―密談の地に鎮まる最初の人神;弘法大師空海―仏に選ばれた天才;安倍晴明―呪術に長けた陰陽師への憧憬;楠木正成―発見された忠臣のシンボル;豊臣秀吉―神になることを望んだ天下人;徳川家康―東国から全国を照らす神;西郷隆盛―思慕と敬愛の「記憶装置」)
2部 ひょっとしたら祟るかもしれない―祟り神(崇徳上皇―黄金に輝く「天狗の棟梁」;後醍醐天皇―北朝を望む、南朝の遺魂;佐倉惣五郎―怨霊から顕彰神となった義民;平将門―日本資本主義の中核に眠る、反権力のシンボル)
なぜ人びとは、死者の「たましい」を祀るのか
著者等紹介
小松和彦[コマツカズヒコ]
1947年東京都生まれ。民俗学・文化人類学者、国際日本文化研究センター名誉教授。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。専攻は文化人類学・民俗学。信州大学助教授、大阪大学教授、国際日本文化研究センター教授、同センター所長を歴任。日本の歴史・文化の周縁に姿をくらます鬼・異人・妖怪などを手がかりに、日本人の心の奥底に潜むものを探る研究を続ける。2013年紫綬褒章受章。2016年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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