内容説明
相次ぐ企業の偽装事件、ストレスで心身を病む会社員、つづく役人の文書改竄・不適切調査、そして長すぎる老後への不安。なぜ、こんな世の中になってしまったのか?本書は社会の「壁」を前に立ちつくし、苦悩を抱えて生きるすべての人に向けて書かれました。著者がフィールドワークで発見したスリランカの「悪魔祓い」、偉大なる仏教思想や志ある宗教者たちの言葉などを通して、生きる哲学としての「立て直す力」を熱く提言します。
目次
第1章 生きづらい社会(単一化された危ない社会;“奴隷”とデータ至上主義エリート;ノイズのない社会;いつの時代もこぼれ落ちる人はいる;傍らにあった宗教 ほか)
第2章 立て直す力としての「宗教」(お坊さんのイメージがわるい;母も仏教が嫌いだった;「阿弥陀さまとお浄土の話」という紙芝居;病室を照らした光;仏教の本質的な力 ほか)
第3章 「悪魔祓い」が教えること(心臓手術から得た示唆;スリランカの悪魔祓い;エネルギーの爆発;呪術師vs.悪魔;笑いと陽気さが充満する ほか)
第4章 祭りとこころ(日本の悪魔祓い的なるもの;農耕社会という大きな変革;「疎外」される人間;喜びを後回しされる農耕社会のツラさ;祭りはなぜ生まれたか ほか)
第5章 仏教の神髄―鈴木大拙の言葉から(「悟り」を体験する;ポジティブな競争心;知恵は慈悲によって力をもつ「愛」への誤解;処世術ではなく;「処生術」を生きる ほか)
著者等紹介
上田紀行[ウエダノリユキ]
1958年東京都生まれ。文化人類学者、医学博士。東京工業大学教授・リベラルアーツ研究教育院長。東京大学大学院博士課程単位取得退学。86年よりスリランカで「悪魔祓い」のフィールドワークをおこない、その後「癒し」の観点を最も早くから提示し、現代社会への提言を続けている。日本仏教の再生に向けての運動にも取り組み、ダライ・ラマ14世との対談書も出版。東工大学内において、学生による授業評価が全学1200人の教員中第1位になり、2004年に「東工大教育賞・最優秀賞」を学長より授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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