内容説明
中央の法、慶應の経済など伝統系や資格系は安泰か?早稲田の国際教養など新設ブランドの実力は?国際、福祉、看護など“流行学部”の真贋。当局の“マーケティング戦略”の実態。珍名学部が増えた理由。東海の航空宇宙学科など隠れたオンリーワン…看板から大学の未来が見える。
目次
第1章 間違いだらけの学部選び
第2章 なぜここが「看板学部」なのか(1)伝統の看板
第3章 なぜここが「看板学部」なのか(2)期待の看板
第4章 「看板倒れ」はこうして生まれる
第5章 看板に映る時代の変化
第6章 これからの学部選びを考えよう
著者等紹介
倉部史記[クラベシキ]
大学プロデューサー、および高校生への進路選択アドバイザー。日本大学理工学部建築学科卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。その後も桜美林大学大学院・大学アドミニストレーション専攻(科目等履修生)等、さまざまな大学で学び続ける。ウェブプロダクションにてパナソニックやコクヨ等の広報企画・プロデュースを手がけた後、私立大学に転職し、職員として大学運営業務に従事。2005年に「マイスター」のハンドルネームで開設したブログ「大学プロデューサーズ・ノート」が多くの大学関係者の支持を集める。早稲田塾SOHKEN(総合研究所)主任研究員を経て現在フリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
171
2012年に発刊した大学に設置される多様な学部の論説。90年代の大学設置基準緩和から、多様な学部学科擁立で混乱を招いていると主張。実学を謳って創設された医歯薬看護系などの資格取得を目指す学部や国際化やものづくりへの人材育成を目指す学部を紹介。また、主に米国で展開されるリベラルアーツ系の高等教育と日本のものとの比較も紹介。読後、現代社会では既存の大学に関する制度疲労を感じた。多様な大学は高校の次の進学先の意味だけか、大学在学は終身雇用を前提とした就職準備期間だけか、そもそも大学の学問とは何なんだろうか、と。2020/08/15
りの
12
タイトルに魅かれて。面白かったです。わかりやすくて、読みやすい。「看板倒れ」とは、学生の学びたいこと/企業が求める人材と学科のカリキュラムにミスマッチが起きてしまうこと。同じ名前の学部でも大学によって学ぶ内容が違うこと。今、「看板」だとしても社会情勢の変化を考えるとその職業/技術が絶対安泰とは限らないということ。大学の広報を鵜呑みにせず、自分で考え、自分で調べ志望校を決めることが大切。2014/08/29
らっそ
11
東京の大学の話題が主。週刊誌の特集記事みたいで気楽に読める。専修大学は法学の人気薄から経済学に軸足を移した。専修大学と言えば『冬物語』と日大フェニックスを破って甲子園bowlにウィッシュボンフォーメーションでやってきたグリーンマシン、カープの黒田。我が母校も全国的にはアイススケートで知られるようになったと思う。看板学部よりもスポーツの方が認知を高められる、教育機関の悲しさ。2020/02/16
Nobu A
11
ランキングを試みた内容ではなく、よく耳にする「中央の法」「慶応の経済」「早稲田の政経」等の歴史的背景を俯瞰し、国内に514も存在する学部名(2012年)から偏差値基準での大学選びや最近の学部・学科数増加・志願者数増やしの為の学部・学科名称変更に対して問題提起。高校生や親御さんに是非読んでほしい1冊。数種の学部の栄枯盛衰の変遷、1、2割が退学する大学が珍しくない現実、他大学の成功事例に倣って施策をそのまま採用する傾向等、主に米国教育機関との比較やデータも交え、大学の内部事情や現状が窺い知れてとても興味深い。2018/05/06
Mark X Japan
8
面白く、最近の大学に関することが分かる本です。昨今の学部・学科名は、子供の名前と同じ位に意味不明ですね。これも、時代なのでしょうか?少子化で、私立大学の倒産しているのに、新設大学や学部増を大幅に認めているのも、看板倒れ学部が増える原因だと思います。文理分けやリベラルアーツに関する著者の考えには、基本的に賛成ですが、数学や物理がほとんど出来ないのに、工学部志望もミスマッチの典型です。興味関心のある分野や大学について良く調べるのも大事ですが、適正や学力についての考察もあると、なお良かったと思います。☆:4.02012/08/05
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