内容説明
自宅で逝くためには何が必要か。家がもつ不思議な力とは。住民の日常に寄り添う医療を展開する総合医が在宅での看取りを綴る。自宅で見事な大往生を遂げた人々のエピソードも多数収録。
目次
第1章 自宅で逝くということ(人生のゴールで;「家」をめぐること;看取りのいま・むかし)
第2章 在宅看取りを支えるために(私が看取りにこだわるワケ;医療の限界から行政との愉快な連携へ)
第3章 地域=コミュニティーの医療を考える(地域医療の抱える問題;医療崩壊から医療再生へのヒント)
第4章 お互い様とおかげ様―名田庄における医療危機と患者‐医師関係(名田庄の地域医療、三つの逆風;支えるつもりが支えられ)
第5章 「先生」を看取る(いつだって、患者さんが先生だった;もしも家逝きを決めたなら;医者泣かせの逝き語録)
著者等紹介
中村伸一[ナカムラシンイチ]
1963年福井県生まれ。自治医科大学卒業。福井県おおい町名田庄地区唯一の診療所の所長。91年名田庄村に赴任以来、住民約3000人(高齢化率約30%)の医療を担う。現在、医師一人体制である。保健医療福祉総合施設『あっとほ~むいきいき館』ジェネラルマネージャーを兼任し、自治医科大学地域医療学臨床教授も務める。保健・医療・福祉の連携で、名田庄村における高い在宅死亡率を維持し、老人医療費や介護保険における第一号保険料を県内で最も低いランクに抑えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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茶幸才斎
4
町の診療所で地域医療の最前線に立ち、在宅での看取りを数多く経験してきた筆者が、「家」で逝くことの効用を認め、包括的な地域ケアの体制づくりの重要性を指摘している本。私も、死ぬなら病院ではなく家がいい、と漠然と思う。でも、正直「家」って何だろう? 実家を離れアパートに住んでいるが、私には持ち家に対する強い思い入れはない。それはまだいい。息子にとっては、そのアパートが生家であり我が家だ。私や息子の番が来たとき、「家」で逝くことに、今ほどの特別な価値や心の充足が存在するんだろうか、と少し寂しいことを考えてしまう。2015/05/03
Humbaba
2
地域の医療は,他がいい尊重しあうからこそ成り立っている.どれほど凄腕の人間であっても,たまには失敗する.その失敗をしたときに責めるのではなくて,全力を尽くしてくれた事に感謝する.それができる人ばかりではないだろうが,そうやって支え合わなければ地域の医者はやっていられない状況になってしまっているとも言える.2011/06/20
伊藤寿志
0
中村先生、今回も楽しいです。いつか中村先生の講演を聴きたいです。2015/12/10
杜宏
0
みにつまされるはなしです。2014/06/11
okatake
0
NHK「ドロクター」の原作者の著書。地域医療の実践者。医者と言っても、いろいろある。我々、セラピストもどの段階で対象者と出会うかによって、全然違う対応となる。ある面、職種が違うのか?という感もあるかもしれない。やっぱり、わたしも地域で仕事を続けたい。2012/10/07




