出版社内容情報
保険調査員として10000件近い案件を担当。人間がいかにウソつきかを味わいつくした著者が、秘蔵の驚愕エピソードを一挙蔵出し!
内容説明
興信所、バッタ屋、そして損害保険調査員。“日常生活では隠す傾向がある”これらの仕事を著者は約30年続けた。彼だけが体得できた「他人を疑い、自分が疑われない術」を、本邦初公開。
目次
序章 人を疑うのは実に難しい
第1章 疑う前に損得を考えよう
第2章 真相究明は八割方にしておこう
第3章 医者や弁護士とはなるべくうまくつきあおう
第4章 疑惑の女はときに般若となる
第5章 火はすべての疑いをご破算にするか?
終章 この世の沙汰は交渉次第で変わる
著者等紹介
伊野上裕伸[イノウエヒロノブ]
1938年、大阪府生まれ。國學院大學文学部日本文学科を卒業後、高校教師・興信所調査員・バッタ屋などの職を経て、1975年から損害保険調査員として働くようになる。1994年、『保険調査員赤い血の流れの果て』で第33回オール讀物推理小説新人賞を受賞し、小説家デビュー。1996年、『火の壁』で第13回サントリーミステリー大賞読者賞、及び日本リスクマネジメント学会文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitya
4
保険調査員という仕事を少し知ることができて役に立ちました。世の中交渉次第で事態は動いていくものなのだと思いました。一筋縄ではいかない人たちばかり相手にする仕事で、タフでないとやってられないですね。2015/07/31
May
3
かつて興信所職員や保険調査員をしていた作家によるもの。最近の事例を扱っているのかと思ったら、著者は'38生まれで、事例もH94に作家デビューするまでのものらしい。著者も話しているとおり、今とは随分と社会が違っているはずで、その点留意が必要だけれど、世の中にはこんな人たちがいるだねぇと感心すること必定。なかなかに興味深い読書となりました。知らぬ世界を垣間見るのも読書のだいご味ですね。2023/11/25
きょう
3
人をだます側も、疑う側も大変なエネルギーを必要とするというのが印象に残った。人間の表も裏も読んで見極める力と交渉術がなければ、保険調査員なんて到底できそうにもない。2015/11/21
ももりんご
1
私の性格がひん曲がっているせいかもしれませんが、所々著者が「自分は有能な保険調査員であった」と主張したがっているところが見え隠れしているな?と感じました。が、それはさておき、社会正義の通用しないもどかしさと人と人との繋がりの弱さ、脆さ、強さ、悲しさ、愚かで卑劣なウソの数々を読めたのは大変おもしろかったです。各章につけられた教訓は確かに役立ちそうですが、だからといって目新しいでもなく。実際に起きた事柄を読み、また自身の体験を擦り合わせて改めて人を信じること・疑うことについて考えさせるような本かなと思います。2013/11/28
kishi
1
けっこう面白かった。保険調査員の裏話がもうちょっと踏み込んで書いてあったらもっと面白かったんだけど。中の火災保険詐欺の男の話が一番興味深かった。2012/03/16