出版社内容情報
世界遺産登録目前! 本家に負けない歴史とロマンを持つシルク文化遺産が日本にも存在する。本書を片手に「絹の道」を訪ね歩こう
内容説明
日本にも、本家に負けない「シルクロード」が存在する。斬新なデザインの富岡製糸場、機能美溢れる養蚕農家群など、見るべき遺産は数限りない。「絹の道」を歩くための最適ガイドブック。
目次
第1章 横長のルネサンス―聖地・富岡製糸場
第2章 機能美の極致―豪壮な養蚕農家群
第3章 人と蚕の叡智―蚕種の生産と保存
第4章 光沢が奏でる調べ―製糸の広がり
第5章 峠を越えろ、町を結べ―蚕種・繭・生糸輸送への情熱
第6章 町に響く織りのリズム―織都桐生と日本の絹織物
第7章 海を越えるシルク―繁栄の面影
第8章 赤レンガの不死鳥―再び聖地、富岡へ
著者等紹介
佐滝剛弘[サタキヨシヒロ]
1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業。現在、NHK前橋放送局制作グループ副部長。番組制作のかたわら、メディア、ジャーナリズム、観光、世界遺産などについての評論、講演多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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みちかなもに
1
富岡製糸場と生糸産業を支えた養蚕農家の歴史・技術やその教育について 調査したものが読みやすい文章で詳しく書かれている。 映画などから女工哀史を想像していたが労働条件は恵まれており、 むしろ男工哀史であったことを知る。 元来の絹産業は衰退していっているが、 世界遺産登録を機会に、 先人たちの築いたものを少しでも多くの人に伝え、 その魅力を発信しシルクロードの発祥を知るきっかけと なり優れた製品が大切に受け継がれていくと良いと思った。2014/08/18
Takashi
0
ようやく読了。近代日本の礎を築いた絹産業について、歴史を振り返るだけでなく、その未来についても考える意欲作。養蚕・絹製品・輸出といったプロセスを単なる遺産に留め置くのではなく、いかにこれから資産として活用するかといった視点も込められており、筆者の絹産業に対する敬慕の念が感じられる。また、絹産業の現場を自分の足で回り、目で見て書いているので、説得力も強い。充実した内容で、読んでよかったと思える一書。2015/10/18
コカブ
0
「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産暫定リストに載った事を受けて書いた本。著者はNHKに勤めながら「二足の草鞋」で世界遺産などについての本を書いている。ちょっと羨ましい。富岡製糸場は教科書で必ず触れるが、片倉工業が買取ってから大切に保存していたため、特に改築もされずに現状で維持されていた。全然儲けにならないのに、この姿勢は凄い。そして、養蚕に適したスタイルをした農家や、蚕種保存・養蚕のための共同施設も同時に暫定リストに載った。工場施設だけでなく、地域の暮らしまで養蚕が密接に結びついていた。2013/11/14
白虎
0
富岡製糸場を中心に、主に日本国内の絹産業遺産をまとめた一冊。 富岡から始まり、日本各地へと広がった近代的な絹産業を追うに適した本かと。2018/07/03