内容説明
公共事業依存システムが崩壊したあと、新しい「公共性」が担うものは―。IT産業やベンチャービジネスとは違う新しい発想の「仕事」の可能性を、大胆にそして現実的に提示した秀作。
目次
第1章 森から見える“日本の再生”
第2章 「無駄」の再利用
第3章 “自然再生エネルギー”で暮らす
第4章 森と川と海をつなぐ
第5章 福祉・環境・まちづくり
第6章 “ポスト公共事業社会”の設計図
著者等紹介
五十嵐敬喜[イガラシタカヨシ]
法政大学法学部教授。1944年山形県生まれ。弁護士として不当な都市計画や建築に対して戦うことで「日照権」を確立。また、不可解な公共事業のあり方を批判し“公共事業見直し”の流れをつくった
天野礼子[アマノレイコ]
アウトドア・ライター。1953年京都市生まれ。国内・海外の川・湖・海を釣り歩き、師事していた開高健氏より“わが国初の女流アウトドア・ライター”の名を与えられる。1988年より長良川を守る運動のリーダー。「公共事業チェックを求めるNGOの会」代表、「脱ダム・ジャパン」代表
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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長野県の田中康夫知事のことで始まる本著。今では、隔世の感がある。続いて和歌山県龍神村の、「緑の公共事業」の話が書かれている。チェーンソーアートチャンピオンの城所氏が活躍の場とされる地域でもあるが、森林での雇用創出を企図し、「地方版セーフティネット」を構築しようとしている。「中山間地域環境整備対策」創設も書かれており、今読んで自然エネルギーも各地の事例が取り上げられているため、色褪せていない。市民事業とは、「自治体と住民が中心となって行なう『公益』事業」(p.255)である。市民社会の試金石でもあろう。2012/06/20