出版社内容情報
天皇はここから「ニュース」になった──。生涯にわたって全国各地を行幸し、神話世界を別にすれば日本史上で最初の「旅する天皇」であった明治天皇。とりわけ1872年から1885年にかけ6回にわたって全国各地を回った大規模な巡幸は「明治六大巡幸」と呼ばれ、天皇と民衆の視覚的相互関係におけるエポックメイキングな出来事として研究の対象とされてきた。六大巡幸はまた、「旅する天皇」の誕生であると同時に、「報道される天皇」の誕生でもあった。日本における最初の本格的メディアとして新聞が続々と創刊された同時代性に着目し、両者のかかわりを重層的な視点で描く。新聞と天皇を重ね合わせるところから、近代日本の初発の時期における国民国家の形成において、当時のニューメディアが果たした役割を明らかにする。
内容説明
生涯にわたり全国各地を行幸した明治天皇。とりわけ明治五年から一八年にかけての明治六大巡幸は「見える天皇」「旅する天皇」、そして「報道される天皇」の誕生として、日本の近代をそれ以前と画する出来事だった。「可視化された天皇」の出現と、日本において最初の本格的メディアとして新聞が次々に創刊された同時代性に着目し、当時のニューメディアが近代日本の初発における「国民国家」の形成に果たした役割を明らかにする。
目次
第1章 「報道される天皇」の誕生前史
第2章 新聞創成期
第3章 旅の始まり―明治五年西国巡幸
第4章 巡幸記の誕生まで―「進化」する新聞
第5章 「御巡幸ノ記」を読む―明治九年東北・函館巡幸
第6章 多様化する「天皇報道」―明治一一年北陸・東海道巡幸
第7章 「巡幸」を論じる新聞
終章 見える天皇・旅する天皇・報道される天皇
著者等紹介
奥武則[オクタケノリ]
1947年、東京生まれ。法政大学名誉教授。70年早稲田大学政治経済学部卒業後、毎日新聞社入社。学芸部長、論説副委員長、特別編集委員などを経て退職。2003~17年、法政大学社会学部・大学院社会学研究科教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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