出版社内容情報
福祉国家を越える構想として、スウェーデン生まれの経済学者グンナー・ミュルダールが描いた「福祉世界」。それは具体的展望を含めた構想であって、同時代社会の問題に取り組むための必要な考えとされ、幅広い関心を呼び込むようになった。 本書はこの魅力的なテーマについて、本格的に整理紹介した書き下ろしである。経済学・政治学・社会学といった複数の学問領域に踏み込み、それらの知見を結合させながら、福祉世界論の重要性を提示していく本書のオリジナリティは高い。 あるべき福祉世界はどのようにして、実現へと向かえるのか──現代性を念頭にこの問いに向き合い、あわせて課題も見出していく本書の価値は、今後ますます高まるだろう。
内容説明
スウェーデン生まれの経済学者グンナー・ミュルダールが描いた「福祉世界」。それは具体的展望を含めた構想であり、同時代社会の問題解決のために必要な考えとして、幅広い関心を呼び込むようになった。本書は経済学・政治学・社会学等の知見を結合させつつ、アクチュアルなこのテーマへ本格的に向き合う。
目次
第1章 福祉国家の歴史と研究史(イギリスの救貧法;ドイツの社会保険 ほか)
第2章 福祉国家の成熟から福祉社会の追求へ(高度成長と福祉国家;スウェーデン・モデルの成立 ほか)
第3章 経済のグローバル化と福祉世界(グローバル化とは何か;グローバル化のなかの福祉国家―「底辺への競争」か ほか)
第4章 福祉世界の思想史的系譜(国民というアイデンティティ;国民に先立つアイデンティティと平和の構想 ほか)
第5章 福祉世界の現代的探求(福祉は経済的効率性を高めうるか;低開発諸国の「発展」に「先進諸国の責任」はあるか ほか)
著者等紹介
藤田菜々子[フジタナナコ]
1977年三重県生まれ。名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。名古屋市立大学大学院経済学研究科講師、准教授を経て、教授。著書に『ミュルダールの経済学―福祉国家から福祉世界へ』(NTT出版、2010年、第8回経済学史学会研究奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 電子書籍
- 賢者の弟子を名乗る賢者 THE COM…