内容説明
ハイエクは資本主義や自由市場の擁護者であるのと同時に、その弱点に対する忌憚のない批判者であった。また、「保守主義」とは一線を画す思想家であった。本書は21世紀における新しいハイエク像を提示する。
目次
第1章 景気循環論
第2章 社会主義批判
第3章 競争と市場
第4章 自由論
第5章 ルール論
第6章 企業活動とその規律
第7章 全体主義批判の構造
第8章 自由市場と社会的責任
第9章 福祉国家批判
第10章 ハイエク社会哲学の保守性と非保守性
著者等紹介
楠茂樹[クスノキシゲキ]
1971年生まれ。京都大学博士(法学)。京都産業大学法学部専任講師、上智大学法学部准教授、国土交通大学校講師、総務省参与、京都府参与などを歴任
楠美佐子[クスノキミサコ]
1972年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。桐蔭横浜大学非常勤講師、名城大学総合研究所助教を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
22
彼は資本主義や自由市場の利点を語る一方、これらの弱点も多く語ったという(17頁)。一長一短を把握して、進むべき道を示したことは高く評価できる。74年彼はミュルダールとともに景気循環や社会経済制度の比較研究が評価され、ノーベル経済学賞受賞(27頁)。ハイエクの失業は、総需要の分布状況と、労働と諸資源の配分状況との間に乖離が生じて発生するという(39頁)。カタラクシーという概念は、市場過程の期待を一致させる自生的秩序で、言語、道徳、法、貨幣を挙げる(58頁)。 2014/10/29
Ex libris 毒餃子
6
ハイエクのトータル解説でした2013/06/17
ステビア
4
ようまとまっちょる。2013/10/14
Curus Persia
3
最終章での保守主義と自由主義の説明が興味深かった。 ハイエクの保守主義の説明で、日本の保守派がTPP加盟を望んでそれを実行した理由が解った。2013/05/26
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