中公新書<br> 三笠宮―昭和天皇末弟の近現代史

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中公新書
三笠宮―昭和天皇末弟の近現代史

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121029195
  • NDC分類 288.44
  • Cコード C1221

出版社内容情報

 昭和天皇の14歳下に生まれた三笠宮崇仁親王。陸軍参謀として南京に派遣され弟で
唯一、戦場を体験し「聖戦」の実態を厳しく批判した。
 戦後の象徴天皇制下、東京大学で歴史を学び、実証史学の立場から積極的に発言。
建国記念日制定=紀元節復活に反対を唱え「赤い宮様」と称された。
 他方で皇族で唯一宮家を維持・拡大させ、昭和天皇、明仁天皇を補佐、戦後の天皇家のあり方を模索・定着させていく。
 本書は、三笠宮の軌跡を追うと同時に、皇族の存在とは何かを描く。


【目次】

内容説明

昭和天皇の14歳下の弟・三笠宮崇仁親王。アジア・太平洋戦争中、陸軍参謀として南京に派遣され戦場を体験、「聖戦」を厳しく批判した。戦後は東大で歴史を学び、実証史学の立場から積極的に発言。建国記念日制定=紀元節復活に反対し「赤い宮様」と呼ばれる。他方で皇族で唯一宮家を維持・拡大させ、昭和天皇、明仁天皇を補佐。戦後の天皇家のあり方を模索・定着させていく。本書は三笠宮の生涯を追い、皇族とは何かを描く。

目次

第1章 昭和天皇の末弟―陸軍軍人への道(孤独な皇子―母と三人の兄たちと離れて;「童謡の宮様」イメージ;学習院での学び―大正から昭和へ;青年将校時代―二・二六事件から対米英戦へ)
第2章 陸軍参謀としての南京派遣―一九四二~四五年(「皇軍」への失望―中国で見た現実;痛烈な陸軍批判―秘匿された講話と文書;東条暗殺計画、杉山陸相更迭の画策;敗戦までの道程―阿南陸相への叱責;「一将校の懺悔」―終戦三ヵ月後の敗因分析)
第3章 戦後皇族の役割とは―占領下の試行錯誤(皇族軍人最後の任務―叛乱阻止の派遣;皇室の民主化への思い―日本国憲法と皇室典範改正;学究の道へ―東京大学西洋史の研究生へ;昭和天皇との確執―役割の意見創意)
第4章 象徴天皇制下の皇族―戦後民主主義のなかで(「紀元節」復活反対―皇族・学者・旧軍人として;留学の切望、皇室外交の展開;歴史の証言者―皇族最年長者として)
おわりに 三笠宮とは何か―「平成流」の開拓者

著者等紹介

舟橋正真[フナバシセイシン]
1982(昭和57)年茨城県生まれ。2016年日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、公益財団法人政治経済研究所研究員。専攻は日本近現代史。共編著『昭和天皇拝謁記―初代宮内庁長官田島道治の記録』全7巻(2021~23年、岩波書店)第77回毎日出版文化賞〈企画部門〉受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

CTC

11
7月の中公新書新刊。著者は近現代史専攻の(公財)政治経済研究所研究員、『〜拝謁記』『“〜拝謁記”を読む』の著者のひとり。著者初の評伝執筆という事だが、それはまた三笠宮崇仁親王のほぼ初めての本格人物評伝となる。それを実現したのは…著者と宮家の信頼関係で、執筆には宮家所蔵の未公開史料が複数活用されている。何かと話題の宮家であるが、本書には三笠宮崇仁親王と百合子妃以外の、その子息や配偶者はほぼ登場しない。とはいえ激動の100年を生きた三笠宮自身の生涯を辿るだけで見えるものは多く、新たな思索に繋がる1冊となった。2026/08/17

バルジ

4
良書。戦後民主主義の体現者としての側面のみならず、帝国陸軍軍人としての三笠宮の姿も論じており、その多面的な人物像が浮かび上がる。陸軍軍人として「聖戦」と「帝国陸軍」を信じていたが、大陸での暴虐はその信念を大いに揺るがし、戦後に「戦争責任」を痛感するきっかけともなる。その「戦争責任」は戦後民主主義への信念とも結びつき、所謂「逆コース」や紀元節反対運動等の「戦前」的のものへの峻拒へと繋がる。しかし靖国神社へ参拝し戦友たちとの繋がりも絶たないその姿は正しく「陸軍軍人」としての三笠宮である。2026/08/30

shonborism

3
三笠宮崇仁親王の評伝。戦時中の陸軍参謀で晩年は皇族最高齢だったことくらいしか知らなかったので読む。非公開の同家の史料が特別に開示を許可されたらしい。皇室の人物としてはだいぶと自由である意味過激だった感もあるが、それも宮が軍人として赴いた中国での見識や戦後の皇室のあり方について相当悩んだ結果だったのだろう。ややもすれば悪い奴に利用されそうな危うさ。一方、オリエント史などに打ち込んだ研究者としての生き方は現当主の彬子女王にも受け継がれていそう。2026/08/19

O次郎

3
三笠宮崇仁親王の生涯を丹念に追っている。「赤い宮様」と称され、リベラルで自由な皇族という印象が強かったが、それが戦中の体験だけでなく戦後の新憲法下における皇族の在り方の模索から来るものだと知れ、平成の明仁天皇に先んじての模索が三笠宮親王の行動の背景にあったのだと知れたのが興味深かった。また、戦後、皇室の自由化について踏み込んだ提言をしていたのも興味深い。皇室典範改正を進める保守派は寛仁親王の男系維持言説を錦の御旗にするが、 ならば父君の発言にも当たらねばフェアではない。時節の議論の参考にもなりうる本だった2026/07/25

Hachi_bee

2
三笠宮崇仁親王の評伝。サブタイトルから一目瞭然であるが、三笠宮家について書かれたものではない。 執筆にあたっては多数の一次資料に当たったとのこと。大変なご苦労であったことと推察。筆者でなければ当たれなかった資料、筆者でなければ書けなかったことが沢山あったと思う。 p.117に「全世界の民心を失った」とある。これは当に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」を置くことに通じる思想と思う。2026/09/06

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