中公新書<br> 身体の美学入門―感性から捉えなおす人間の本質

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中公新書
身体の美学入門―感性から捉えなおす人間の本質

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121029164
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C1210

出版社内容情報

「目の綺麗な人だな」
「ずんぐりむっくりだ」
私たちは日々、人の顔かたちや服装、ふるまいや体型を前に、自他の違いを感じる。
なぜ人は他者の身体を美しい/醜いと思うのか?
美醜を感じる正体とは?
感性のはたらきを知ることは、人間の本質を見ることである。
本書は身体をめぐる感性の歴史を一望して掘り下げる。
気まぐれでやっかい、曖昧な私たちを愛するために。
未完成な人間の未来を照らす、新しい美学入門。


【目次】

【目 次】
はじめに
違いについての学問  バラバラになる社会  身体を介して他者に出会う  本書の構成

第1章 美学、「私の中の他者」との出会い
下位の認識能力  眼を閉じ、耳をふさぐデカルト  ライプニッツによる認識の分類  識別できるが説明できない  日常は「渾然」「曖昧」だらけ  過去の経験と「傾き」  私の中の他者  より良く/善く感じるための学問  ソマティック・マーカー仮説将来のシナリオの評価  生物学的次元と社会的次元のからまりあい

第2章 感性、このやっかいであなどれないもの
無関心性(没関心性)  関心まみれの出会い  身体の評価=人物の評価?  サイズ、形、動き、色、匂い、服装  口笛でヴィヴァルディ   自分の身体にくつろげない  感性の保守性  鏡としての感性  法律の限界  権利ではなく魅力で  ふくらはぎに見惚れる  感性の逸脱  差別化と他者化  自然化される趣味

第3章 醜による他者化
科学と哲学  ルネサンスの豊満な女神  「人種」の創造  ホッテントット・ヴィーナス  見世物小屋=他者化の装置  プロテスタント的禁欲主義  「健康リスク」と「私らしさ」のあいだ歴史のレンズを通して見ている  醜とは何か

第4章 美による差別化
遅れてやってきた運動  彼らとは違う「私たち」  トニ・モリスン『青い眼がほしい』  醜さのマント  ディックとジェーン「二重のまなざし」に殺されないために  アフリコブラの輝き 象徴としてのアフロヘア  画面を埋め尽くす文字  黒人の美学日本語の「美学」のニュアンス

第5章 逸脱する感性
規範的感性と逸脱的感性  再認=既知への取り込み  知覚=未知の発見  個別性との出会い  知覚は自由に展開していく  対象に降伏(surrender)  慣習にあらがう能動性  見方が市民権を得るまで 山の「醜さ」  つるつるでゆがみのない球  天文学の衝撃無秩序で複雑で無限の世界  崇高さの発見  グランド・ツアー  日誌や手紙のライブ感  正義のプロセス/エロス的プロセス

第6章 エロスから愛への進化
きよしさんの指隠し撮影  「感染」の倫理性  スタイルとは何か  自然にはスタイルはない  表出ではなくパターン  選択なぜこのやり方なのか?  基準のゆらぎをうけとめる  愛への進化  アイデンティティ・ポリティクスを降りる

おわりに
参考文献

内容説明

「目の綺麗な人だな」「ずんぐりむっくりだ」。私たちは日々、人の顔かたちや服装、ふるまいや体型を前に、自他の違いを感じる。なぜ人は他者の身体を美しい/醜いと思うのか?美醜を感じる正体とは?感性のはたらきを知ることは、人間の本質を見ることである。本書は、身体をめぐる感性の歴史を一望して掘り下げる。気まぐれでやっかい、曖昧な私たちを愛するために。未完成な人間の未来を照らす、新しい美学入門。

目次

第1章 美学、「私の中の他者」との出会い
第2章 感性、このやっかいであなどれないもの
第3章 醜による他者化
第4章 美による差別化
第5章 逸脱する感性
第6章 エロスから愛への進化

著者等紹介

伊藤亜紗[イトウアサ]
1979年生まれ。美学者。東京科学大学未来社会創成研究院DLab+ディレクター、リベラルアーツ研究教育院教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学(文学博士)。第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、第42回サントリー学芸賞、第19回日本学術振興会賞、第19回日本学士院学術奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

10
美学という学問の成り立ち、概説から、その美学が主に扱う「感性」のままならさを経由してその、社会性、可塑性に突入していくという大まかな流れ。 感性の可塑性、「(著者の言葉では)逸脱的な側面」に現代社会を取り巻く諸問題の解決のための鍵を見出している点が非常にアクチュアル。伝統的な美学のお話から現在の我々が直面している他者理解の方法までシームレスに話題が繋がっていく構成が見事という他ない。2026/06/24

Kooheysan

7
最近知った美学(哲学の一分野だそう)について。知性/理性とは違って、感性の働きは言語では捉えにくいですが、そこを何とか言語で…というのが美学なのかな、と。入門編ということで、まずは興味深く読めました。相手を他人のまま尊重すること。他人の評価基準(社会からの要求/通俗道徳も含む)を自分に当てはめすぎない。相手との出会いから何かを受け取り自分をアップデートする。偶然性を楽しむ余裕を持つ。自分軸をきちんと確立できていない自分には難しいことばかりですが、これらのことに対して、この学問はいい参照ツールになりそう。2026/07/10

なをみん

5
いきなりまっすぐわかりやすい美学についての原理的で根本的な解説に唸りつつも、感性の問題を言葉で語るのはやっぱり難しいけれど、そこはやっぱりちゃんと最終的にはいつもの伊藤亜紗節が爆発炸裂。「問題行動」を「アート」と読み替えるとか、障害のある人に性的に惹かれるディボティーの問題とかおそらく彼女による「美学」によってはじめて見えてくる考え方というか世界を変えうる可能性というか、あたらしい時代に必要なまっすぐな人間賛歌というかなんというか、切実に今の時代に必要な美学ってやっぱりこういう話なのだろうと私も思う。2026/07/05

stray sheep

2
微小表象の傾向性とソマティック・マーカーとを結びつけるところのように、斬新だけれど説得力のある議論が随所に見られて小著ながらも読み応えがあった。 ただ規範的と逸脱的というふうに感性を截然と分けるやり方が成功しているのかという疑問は残った。前者を後者が更新しうるという形で議論が進むのであればともかく、両者が更新されていくプロセスが「根本的に異なる(164頁)」と言われてしまうと、じゃあデューイのモデルのままでいいじゃんという気持ちになる。両者の交感により焦点を絞った続編に期待したいところ。2026/07/06

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