中公新書<br> 日本史の宝箱―史料をめぐる52の秘話

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中公新書
日本史の宝箱―史料をめぐる52の秘話

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  • サイズ 新書判/ページ数 296p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121029096
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C1221

出版社内容情報

東京大学史料編纂所に所属する史料読みのプロたちが、知られざる「歴史の真実」を明かすアンソロジー。


【目次】

■目次

はじめに

Ⅰ あの人物の意外な一面

藤原頼通と古代・中世(黒須友里江)
北条泰時の二日酔い(西田友広)
名執権・北条泰時の横顔(木下竜馬)
嘉吉の乱後の朝廷を支えた公家たち(林遼)
若き北条早雲の改称(岡本真)
寿桂尼の嫁入り(末柄豊)
細川忠興、石田三成の陰謀を語る(林晃弘)
徳川家康の伏見城修築(及川亘)
幕府海軍の藩士と蔵書(水上たかね)

Ⅱ おしゃべりなモノたち

黄金の漆をさがして(稲田奈津子)
中世の「おみやげ」(小瀬玄士)
円覚寺の自鳴する鐘(川本慎自)
能登名産ナマコの小桶(藤原重雄)
醍醐の松茸は誰が採る?(高橋慎一朗)
近江妙蓮と柳原紀光の古典籍受容(芝﨑有里子)
江戸時代の米の先物取引(山本一夫)
爆発する江戸(菊地智博)

Ⅲ 世情の風景さまざま

奈良時代の付き人(古田一史)
長谷寺と川原寺(村上孟謙)
最後の遣明船(須田牧子)
分国法にみる盗品の取戻し(前川祐一郎)
摂関家当主の一喜一憂(松澤克行)
門跡の相続事情(石津裕之)
老中へ賄賂を贈る(荒木裕行)
それぞれの密貿易(大東敬典)
幕末の情報探索にみる「奇兵隊」(小野将)
維新期朝廷の奥と表(箱石大)

Ⅳ 文字に秘められた謎

天皇に秘薬をすすめたのは誰?(小塩慶)
記録と説話とのあいだ(海上貴彦)
この手紙はいつのもの?(堀川康史)
『兼見卿記』が二つある?(遠藤珠紀)
近代写本の中に隠れた中世史料(畑山周平)
天正少年遣欧使節とエヴォラ版書簡集(岡美穂子)
元和九年の将軍上洛行程と『徳川実紀』(小宮木代良)
絵文字入りの手紙を読む(尾上陽介)
「東大寺開田図」と模写・写真(新井重行)

Ⅴ 史料に向き合う

複製史料を見つめ直す(井上聡)
帝銀事件と史料編纂所(金子拓)
金石文調査が拓く地域の歴史(菊地大樹)
「攪乱」された東大寺文書を編む工夫(遠藤基郎)
織田信長自筆書状の復元影写(宮﨑肇)
歴史史料を創る(村岡ゆかり)
下張り文書の魅力(山口悟史)
プラチナプリントと複製(桑田恵里)

Ⅵ 未来に広がる日本史学

コンピュータが開く史料の扉(中村覚)
日本史からのグローカル化(小風綾乃)
研究データ基盤とベイズ統計学(山田太造)
歴史に伴走する写真(谷昭佳)
史料写真を撮る(高山さやか)
古文書の紙を科学で読み解く(渋谷綾子)
紙の漉き方からわかること(髙島晶彦)
海に出来た山、海を渡った津波(杉森玲子)

編集後記

執筆者一覧

内容説明

奈良時代から明治維新期までの古文書や記録などを収集し、史料集を編纂・刊行する東京大学史料編纂所。近年はデジタル技術を駆使した史料の撮影・公開等の新たな試みも続く。本書は、史料読みのプロたちに加え、史料修理・複製ほかに携わる専門スタッフも寄稿。「名執権・北条泰時の横顔」「織田信長自筆書状の復元影写」「江戸時代の米の先物取引」などなど、多彩な逸話を綴る。奥深い歴史の世界へ読者をいざなう一冊。

目次

1 あの人物の意外な一面
2 おしゃべりなモノたち
3 世情の風景さまざま
4 文字に秘められた謎
5 史料に向き合う
6 未来に広がる日本史学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

31
史料をどのように読み込むかで、常識がひっくり返る。そんな例を数多く紹介。あくまで史料についての、史料に伴うエピソードであるところが本書の特色。すでに1冊刊行されていて、本書はその続編であるらしい。前の本も読んでみたいと思う。特におもしろかったのは、文書の筆跡や紙の質の判断によって、史料の史的価値や解釈が変わることがあること。写しであっても原本が失われていたりして、かけがえのない史料になる場合が、想像以上に多いらしいこと。昔の人がみんな歴史学者であるはずもなく、偶然残った資料は大切にするべきなんだと痛感。2026/07/25

よっち

27
奈良時代から明治維新期までの古文書や記録などを収集し、史料集を編纂・刊行する東京大学史料編纂所。近年はデジタル技術を駆使した新たな試みも続く研究者たちが多彩な逸話を綴る1冊。古代から近現代までの52のエピソードを、研究者が一次史料を丹念に読み解きながら紹介するアンソロジーになっていて、「天皇に怪しい薬を飲ませたのは誰か」を推理して読み解く過程を公開したり、教科書では触れられないような人間臭いエピソードも掲載していて、史料の信憑性を常に疑い、他の史料と照合し、現代の知識で再解釈していく姿勢が感じられました。2026/06/28

電羊齋

12
史料の扱い方、史料批判の方法、文書の紙質の判断、写本の作り方、保存方法などなど史料にまつわるいろいろなエッセンスが52の文章の中に盛り込まれている。それぞれの史料には魅力的で興味深いエピソードがある。各研究者の方々の史料への取り組み方にも学ぶところが多い。やはり現物の紙の史料とふれあって、はじめてわかることも多いのだろう。それから、写しがあっても原本がすでに失われている史料も多いことには驚いた。やはり史料は大事にしなければならない。2026/07/26

武井 康則

8
表紙や帯を見ると、よくある歴史のトリビアものかと思ってしまうが、東大の資料編纂所となると、信じられるものなのだろうと読み始めると、これは資料との格闘の記録。歴史的な有名人はほとんど出てこない。徳川時代の賄賂の歴史や対馬藩の苦悩など歴史そのものが主題というよりも反故紙、裏張りからⅥではコンピュータを始めとする最新技術による資料の読み取りまで、まさしく史料との対話、格闘の記録。青少年たちがこれを読んで、史料読解の面白さに目覚めたらと思う。市井の歴史好きは肩透かしをくらうかも。2026/07/14

お抹茶

6
一人あたりのページ数は少ない。研究の一片を魅力的に伝える。歴史研究者の注目先が興味深い。家康による慶長七年の公儀普請で,家康は天下人として大名の生殺与奪を握っていることを知らしめると同時に,伏見城の普請を公儀の主としての覚悟で臨んだ。津山の帳合米商いの導入要望書からは,インバウンドによる経済効果を期待したもので,IRのようなだったことがわかる。公家社会にも摂関家を主家とする家礼という主従制的慣行が存在したが,本当の主従ではなく可変的だった。帝銀事件での筆跡鑑定,ド文系の中に現れるベイズ統計学もおもしろい。2026/06/06

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