中公新書<br> 親日派―売国と愛国の韓国史

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親日派―売国と愛国の韓国史

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121029034
  • NDC分類 221.06
  • Cコード C1222

出版社内容情報

 植民地時代の対日協力者で「売国奴」とされた親日派。
 独立後の韓国は「反民族行為処罰法」を制定し多数検挙するが、反日闘士だった初代大統領・李承晩は事実上廃案にする。国家機能維持のためには親日派の協力が必要であり実利を取ったのだ。そのため戦後も政治や軍の中枢を親日派は占め続けた。
 だが民主化後、親日派への批判が始まる。21世紀以降は、政治がその清算を強く求め、「日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法」を制定、民間でも『親日人名辞典』アプリが配信されるなど、子孫を含めた糾弾が続く。しかし、その内実は現代政治に強く影響され、「政治カード」として大きく変質している。
 一見すると明確な利益が見出せない問題に、なぜ韓国は1945年の「解放」から80年にわたって莫大な労力を割いてきたのだろうか。親日派から描く韓国近現代史。


【目次】

内容説明

植民地時代の対日協力者で「売国奴」とされる親日派。建国後の韓国は反民族行為処罰法を制定し多数検挙するが、反日闘士だった初代大統領は事実上廃案にし、親日派は政界や軍の中枢を占め続けた。しかし民主化後、批判が始まる。21世紀以降、政治はその清算を求め、また『親日人名辞典』アプリが配信されるなど子孫にも及ぶ糾弾が続く。だがその内実は、現代政治の影響を強く受け大きく変質している。親日派から描く韓国近現代史。

目次

序章 親日派の誕生―”売国奴”と韓国併合
第1章 植民地支配に協力する朝鮮人―一九一〇~四五年(朝鮮総督府で働く人々;独立運動の高揚と限界―「実力養成」の罠;戦時期の対日協力―非協力が「罪」となる時代)
第2章 大韓民国建国と親日派の運命―一九四五~五〇年(粛清か活用か―揺れる政治のなかで;親日派の範囲確定へ―「解放」後、初議会の試み;反民特委の活動と崩壊―建国から朝鮮戦争の勃発まで)
第3章 タブーから社会問題へ―一九五〇~九〇年代(朴正熙が親日派になるとき;解禁―韓国民主化の余波;「歴史の立て直し」―親日派清算の議論へ)
第4章 政治的対立のなかの親日派―二〇〇〇年代以降(二つの特別法―政府主導の親日派清算;『親日人名辞典』の刊行―民間による親日派清算;政争の具への変貌―建国の功労者か民主主義の敵か)
おわりに 対日歴史問題から韓国政治の問題へ

著者等紹介

小野容照[オノヤステル]
1982年横浜市生まれ。2005年学習院大学経済学部卒業。08年韓国・高麗大学校大学院韓国史学科修士課程修了。12年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学人文科学研究所助教などを経て、17年より九州大学大学院人文科学研究院准教授。専門は朝鮮近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

27
「漢奸」と似たようなニュアンスの「親日派」だが、実態は複雑であり、進んで協力した者ばかりではなかった。もちろん日本の統治が無罪とは言っていないが。(なお戦時下においてはそもそも抵抗事態が違法行為となった。)日本の敗戦後、政府の中枢に多いのも、行政等をしっかりできる人材がバリバリの独立運動家にはいなかったからである。民主化後は保革共に相手を叩くイデオロギーとなったが、認定基準も曖昧な上、肝心の日本の事をあまり問題にしているわけではないらしい。2026/04/23

おかむら

21
韓国近現代史を「親日派」をキーワードに読み解く。植民地時代に日本に協力した政治家資本家地主官僚警官文化人等の人々は「売国奴」「親日派」と呼ばれ戦後は糾弾されると思いきや…。現政権まで続く親日派の影響力通史。「独立運動をすれば3代が滅び親日をすれば3代が栄える」と言われる皮肉な現象。途中までは韓国の人名が似たようなの多くてなかなか読みづらかったけど、やっぱり李承晩とか朴正煕とか知ってる人が出始めてからはぐんぐん読めた! 大好きな韓国の映画(現代史モノ)を観る時の理解の助けになりそうでありがたいわ。2026/06/10

Tomoichi

19
全体としては、中々興味深くて面白かったが、親日派になった理由が権利欲と金銭欲と著者が決め付けるのは如何なもんかと思う。韓国人が彼らをそう言うのは良いだろう。そう決め付ける事で自分を道徳的に優位に立たせるのだから。しかし日本人研究者の著者が彼らと同じように親日派は矮小化し批判的に評価するのはどうなの?それでは薄っぺらいし、彼らの真実に迫っていない。より深い考察を望む。2026/07/04

nishiyan

15
植民地時代の対日協力者で「売国奴」とされる親日派を通して描く韓国現代史。そもそも親日派とは何ぞやというところが明示されたのはよかった。大韓民国成立とともに親日派の清算へと動くものの、北朝鮮並びに国内の共産主義者の脅威が政界や軍で親日派(朝鮮総督府官僚、日本軍士官経験者)を要職で起用せざるを得なかったというのは興味深い。親日派が保守派と同義化するのは、朴正煕以降の権威主義に由来するというのが知れたのも収穫だった。保守派と進歩派の駆け引きの道具となった親日派という言葉が清算される日はいつになるのだろうか。2026/05/20

オサム兄ぃ

12
本書が扱う「親日派」とは、韓国併合に協力した「売国奴」、植民地支配を協力した「対日協力者」、その中で民族に多大な被害を与えた「民族反逆者」を指す。同じ東アジアの漢字文化圏なのでややこしいが、親善友好とは異なる。「独立運動をすれば三代が滅び、親日をすれば三代が栄える」と言われる不条理は、解放後も長く正されなかったのは何故か。言葉の意味が拡散して、政争の具となっている現代政治までの160年の歴史を、圧倒的情報の量と、説得力ある分析で描き出す。日韓近現代史を語る際には必ず参照される、定番の本になることだろう。2026/06/06

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