中公新書<br> 琉球処分―「沖縄問題」の原点

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琉球処分―「沖縄問題」の原点

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121028600
  • NDC分類 219.9
  • Cコード C1221

出版社内容情報

琉球処分とは、日中の両属国家だった琉球王国を日本が強制併合した政治過程をいう。1872年の琉球藩設置から「処分官」派遣、79年の警察・軍隊を動員した沖縄県設置、80年に強く抗議する清国との八重山分島交渉までを指す。
 国王は東京に送られ、島内では組織的抵抗が日清戦争まで行われる。本書は、併合の過程とその後を精緻に追い、清国や西洋諸国を巻き込み東アジアの新秩序をも形成した琉球処分の全貌を描く。


【目次】

内容説明

琉球処分とは、日中の両属国家だった琉球王国を日本が強制併合した過程をいう。1872年の琉球藩設置から、「処分官」派遣、警察・軍隊を動員した79年の沖縄県設置、80年の強く抗議する清国との八重山分島交渉までを指す。国王は東京に送られ、島内では組織的抵抗が日清戦争まで続く。本書は、併合の過程とその後を精緻に追い、清国や西洋諸国を巻き込み東アジアに新秩序をもたらした「沖縄併合」の全貌を描く。

目次

序章 前近代の琉球―中国・日本に両属した国家
第1章 西洋諸国の琉球来航(アヘン戦争後―仏英と宣教師;ペリー艦隊の来航―一八五三年五月;琉米条約の締結へ;仏蘭との条約締結―島津斉彬の策謀)
第2章 明治維新後の併合始動(廃藩置県と日清修好条規締結;琉球藩王への冊封―琉球処分の起源;琉球王府の動揺と嘆願―外務省の併合政策;台湾出兵の余波―内務省への移管)
第3章 琉球併合命令と救国運動(大久保利通の併合計画;日琉交渉―琉球王府対松田道之;妥協か、抵抗か―琉球王府と亀川党;琉球救国運動へ―清・西洋諸国への働きかけ)
第4章 琉球処分、その後の沖縄県政(処分断行―警察・軍隊の動員;尚泰の上京、県政への組織的抵抗;清の抗議と琉球分島案―二分割か、三分割か;沖縄統治―「旧慣温存」の原則)
終章 日清戦争後の沖縄

著者等紹介

塩出浩之[シオデヒロユキ]
1974(昭和49)年広島県生まれ。97年東京大学教養学部卒。2004年同大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。06年琉球大学法文学部専任講師、07年准教授を経て、16年教授。18年京都大学大学院文学研究科准教授、21年より同教授。専攻/日本近現代史・政治史。著書『越境者の政治史―アジア太平洋における日本人の移民と植民』(名古屋大学出版会、2015年)第38回サントリー学芸賞、第38回角川源義賞、第70回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

83
近代日本史の出来事の中でもかなり重要な事件でありながら、適当な概説書のなかったテーマに、本土出身の研究者が挑む。その動機が琉球大学の講義の際に、琉球処分を全く知らない(表面上ではなく、その本質)自分に愕然としたからという。新書というコンパクトな中で、琉球、日本、清の当時の世界認識と情勢判断が錯綜しながら進む姿を、見事に整理している。日本による「処分」は言ってみれば「植民地化」という認識が出てきて、かねてからその様相が強いと思っていたので膝を打った。事後の琉球の抵抗も詳しく、分島案の顛末も丁寧だ。良書。2025/07/13

kk

24
図書館本。中国の潜在的な宗主権を前提とする東洋的国際秩序と、国家主権の至高性を基礎に据える近代国際法秩序。明治日本の歩みを、「万国公法」をレバレッジに、伝統システムに基づく地域的現状を塗り替えることによって覇権・権益を目指したものと捉え、その最大の焦点の一つが琉球「処分」であったと論ずる。国際法上の議論や「分島論」など様々な重要論点を紹介するほか、現地の葛藤や苦悩を活写。「処分」のタイミングが日清戦争後であつたとしたら、また「分島論」が実現していたとしたら、果たして今日の安保環境はどうなっていたことか。2025/07/15

電羊齋

23
日清に両属していた琉球王国が日本の沖縄県として併合される過程を概説。本書の特色は『尚家文書』など琉球王国側の史料を駆使し、併合に抵抗する琉球側の視点と論理を詳細に明らかにしていることである。そこからは琉球側の日本(ヤマト)への認識の深さが読み取れた。その一方で、併合した側である日本政府側の琉球への無知および政府官僚の沖縄と沖縄人への植民地視も明らかにされている。そしてその関係性がその後現在に至るまで継続していることを思えば、まず日本人としては沖縄について知ることから始めなければならないのだろうと思った。2025/08/18

みこ

23
150年前の国家の企みが現代の問題の原点となっていることを認識させられる一冊。琉球視点からすれば自分たちの国が奪われた忌まわしき事案なのだが、現代の我々大和人でその加害意識を持っている人はほぼ皆無だろう。もっと歴史の授業などで取り上げるべきだとは思う。ただ、本書では清が併合反対の助け舟を出しているような描写があるが実際はどうだろう。琉球の二分割案にも前向きなあたり清に領土的野心が無かったとは思えない。なにより、別の地で日本と清は軍事衝突をしている。彼らがそこまで平和理想主義とは思えない。2025/07/26

さとうしん

22
日清に両属する国家であった琉球王国が明治維新を経た日本により琉球藩、沖縄県として併合されるまでの過程をたどる。琉球側の抵抗の動きを詳しく追っており、日清間で複数案による領土の分割が協議されていたこと、日清戦争の結果が抵抗運動を潰えさせたこと、財政難による徴税の苛烈さ等を理由に、抵抗運動が民衆レベルまで広がらなかったことなどが議論されている。沖縄の基地問題が琉球処分の結果と地続きであるという指摘など、現代につながる視点もある。2025/06/25

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