中公新書<br> 就職氷河期世代―データで読み解く所得・家族形成・格差

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中公新書
就職氷河期世代―データで読み解く所得・家族形成・格差

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121028259
  • NDC分類 361.64
  • Cコード C1233

出版社内容情報

バブル崩壊後の不況期に就職活動をせざるを得なかった「就職氷河期世代」。本書は1993~2004年に高校、大学等を卒業した人々を就職氷河期世代と定義し、雇用形態や所得、格差などを統計データから明らかにする。不況がこの世代の人生に与えた衝撃は大きい。結婚・出産など家族形成への影響や、男女差、世代内の年収差、地域間の移動、高齢化に伴う困窮について検証。データから見える現実、講じ得る支援策とは。

内容説明

バブル崩壊後、未曾有の就職難が社会問題となった。本書は1993~2004年に高校、大学などを卒業した人々を「就職氷河期世代」と定義し、雇用形態や所得などをデータから明らかにする。不況がこの世代の人生に与えた衝撃は大きい。結婚・出産など家族形成への影響や、男女差、世代内の格差、地域間の移動、高齢化に伴う困窮について検討し、セーフティネットの拡充を提言する。統計から見えるこの世代の実態とは。

目次

序章 就職氷河期世代とは
第1章 労働市場における立ち位置
第2章 氷河期世代の家族形成
第3章 女性の働き方はどう変わったか
第4章 世代内格差や無業者は増加したのか
第5章 地域による影響の違いと地域間移動
終章 セーフティネット拡充と雇用政策の必要性

著者等紹介

近藤絢子[コンドウアヤコ]
1979年生まれ。2001年東京大学経済学部卒、2009年コロンビア大学大学院博士課程(経済学)修了。Ph.D.大阪大学講師、法政大学准教授、横浜国立大学准教授を経て、2016年より東京大学社会科学研究所准教授、2020年4月より東京大学社会科学研究所教授。専門は労働経済学。2023年、日本学士院学術奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あらたん

61
データで見た就職氷河期世代。自分が氷河期世代真っ只中なのでとても興味深く読んだ。新しい発見は氷河期世代に出生率が改善していたということ。実感どおりだったのが氷河期後期から正規採用が減少し、そこから回復していないこと。いずれにしても、社会科学の領域においても重要な問題についてはデータに基づく冷静な議論がもっともっと広まってほしいし、そのためにもこのような社会科学の研究に対してもより大きな支援が必要と思いました。2024/11/24

よっち

28
バブル崩壊後に社会問題となった未曾有の就職難。就職氷河期世代の雇用形態や所得などをデータから他世代と比較してその影響を明らかにする1冊。1993~2004年に高校・大学などを卒業した人々を「就職氷河期世代」と定義し、結婚・出産など家族形成への影響や男女差、世代内の格差、地域間の移動、高齢化に伴う困窮について検討する内容で、少子化はその前のバブル世代から始まっていて、氷河期世代でも前半と後半ではだいぶ違うこと、その後の世代は一部を除いて苦しい状況が続いていたことや地域差もあったことが伺えて興味深かったです。2024/11/11

さとうしん

13
統計から読み解く氷河期世代の就職状況と経済、家族。氷河期世代として色々身につまされる指摘や論点が満載だが、印象に残ったのは氷河期世代もさることながら、その直後のポスト氷河期世代も当時「売り手市場」などと言われながらも実は就職状況は氷河期前半と同水準だったということと、世間的な論調とは逆に氷河期世代以降の女性の高学歴化が少子化に影響を与えたという事実は読み取れず、むしろ高卒女性より大卒女性の方が結婚と出産をする可能性が高くなっていること、また直前の段階ジュニア世代より子どもの数が多いという指摘である。2024/10/24

まゆまゆ

12
バブル崩壊後に学校を卒業し1993年から2004年に社会人となった就職氷河期世代に関する通説をデータで明らかにする内容。初職が非正規である割合が多いと思いきやその後社会に出た世代のほうが割合が高い、雇用の不安定さが未婚·少子化の原因になったとはデータ上いえない、世代間所得格差は下位層の所得がさらに下がることで拡大する、などが気になった。2024/11/20

電羊齋

12
まず「就職氷河期世代」をきちんと定義する。その上で個人的な経験、印象ではなく、統計データに基づき就職氷河期世代の実態を明らかにしていく。大方の印象とは異なり、少子化はバブル崩壊以前から始まっていること、就職氷河期の地域間格差、ポスト氷河期世代の雇用状況も就職氷河期前期世代と同水準だったこと、就職氷河期後期世代の方が団塊ジュニア世代より出産数が多いことなど「目からウロコ」の指摘が多い。各章ごとの「まとめ」もわかりやすい。問題を先送りせず、正しいデータと証拠に基づいて問題を解決することが大切だと感じた。2024/11/16

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