中公新書<br> 在野と独学の近代―ダーウィン、マルクスから南方熊楠、牧野富太郎まで

個数:
電子版価格
¥1,056
  • 電子版あり

中公新書
在野と独学の近代―ダーウィン、マルクスから南方熊楠、牧野富太郎まで

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2025年05月28日 06時34分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121028211
  • NDC分類 283.3
  • Cコード C1237

出版社内容情報

近代に入り、大学などの研究機関が整備される中、在野で独学に打ち込むという道を歩んだひとびともいた――。本書は、柳田国男に「日本人の可能性の極限」と評された南方熊楠を軸とし、ダーウィン、マルクスから福来友吉、牧野富太郎、三田村鳶魚ら、英日の独学者の姿を描き出す。さらに知のインフラとしての郵便、辞書、雑誌、図書館などにも着目。近代の独学者たちの営みは、現在の「知」をも照らすだろう。

内容説明

近代に入り、大学をはじめ研究機関が整備される中、在野で独学に打ちこむ道を歩んだひとびともいた―。本書は、柳田国男に「日本人の可能性の極限」と評された南方熊楠を軸に、ダーウィン、マルクスから福来友吉、牧野富太郎、三田村鳶魚ら、英日の独学者たちの姿を活写する。さらに郵便、辞書、雑誌、図書館といった「知」のインフラやシステムにも着目。彼らの営為と、変化する環境を通し、学問の意味や可能性を探る。

目次

学問におけるアマチュアとプロ
第1部 イギリス(ダーウィン―学問は大学だけのものにあらず;大英博物館のマルクスたち―独学の場所と方法;『ネイチャー』と『N&Q』―成果と発表をつなぐネットワーク;マレーと『オクスフォード英語大辞典』―知識の集積と活用)
第2部 日本(牧野富太郎と植物学―官と民の狭間に立つ学問;柳田国男と民俗学―組織化の先に;福来友吉と超能力研究―アカデミズムの外側でも;三田村鳶魚と江戸学―最後は孤独なアマチュア)
アマチュア学者たちの行方

著者等紹介

志村真幸[シムラマサキ]
1977年神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間・環境学)。慶應義塾大学文学部准教授、南方熊楠顕彰会理事。著書『南方熊楠のロンドン』(慶應義塾大学出版会、2020年/サントリー学芸賞“社会・風俗部門”、井筒俊彦学術賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

129
どんな分野でもプロとアマを比べればプロが秀でていると思われ、特に学術関係では大学教授などが権威と信じて疑わない。しかし教育が普及し始めた19世紀から20世紀前半にかけては、現代流で言えばオタクかマニアといえる独学を修めた一般市民が大きな発見や理論を打ち立てるのも珍しくなかった。南方熊楠を中心に野にあって業績を残した学者を紹介する。専門が極度に細分化して巨額の研究資金を必要とする現代の学問では不可能か。また、学歴もないのに実力でロックフェラー研究所員にまでのし上がった野口英世も、在野研究者列伝に入るのでは。2025/01/21

trazom

112
ダーウィン、マルクス、マレーなどの事績を通して、イギリスでは在野の研究者が活躍する土壌があったことが紹介される。一方、官学の権威が圧倒的な日本での数少ない例は、南方熊楠、牧野富太郎、柳田國男。「採集の会」や「民間伝承の会」を組織して、官と民を巧みに利用して活躍した牧野・柳田に対して、二人と決別する南方の人間的な不器用さが印象に残る。アマチュアの研究を肯定的に描きたいなら、天文学や考古学などの好事例を示したらいいと思うのだが、なぜ最後に、福来友吉のような人物を登場させるのか、本書の意図がよく理解できない…。2025/02/05

うえぽん

51
熊楠専門家が在野の研究者による学問への貢献について日英を比較しつつ論じたもの。ダーウィンは教授等の定職に就かず一生を過ごし、民設のロイヤルソサエティがあるロンドンで過ごした。大英博物館の図書館部門は独学者の聖地で、熊楠の他、マルクス、ディケンズらが通った。ネイチャー等の雑誌やOED等の辞典は、郵便の発達を梃子に寄稿、作成に数多のアマチュアが動員された。日本では官学と在野の格差は大きかったが、官から出た牧野富太郎や柳田国男がアマチュアとの協働空間を作った。日英いいとこ取りの新たな協働を夢想した点も興味深い。2025/03/22

軍縮地球市民shinshin

17
かつて学問は在野の研究者が多かった。本書は南方熊楠を軸として日英の在野の学者の足跡をたどったもの。植物学者牧野富太郎が朝ドラのイメージとは大きく違い、東大講師という職業に固執したこと、画工がイチョウの精子を世界で初めて発見したことを「犬も歩けば棒に当たる」「彼は学者ではないめ、精子かどうか鑑定できなかった」などと評していたことに驚く。発見者は東大を去らざるを得なくなるのだが、牧野はそれを内心喜んでいた様子。朝ドラでは憤っていたので対照的。超心理学者福来友吉は東大助教授を追われるが、間もなく高野山大学教授2024/11/13

かごむし

17
本書は、独学や在野の研究者が学問の中心であった時代を描き、南方熊楠を通じてアマチュア研究者の重要性を論じる。イギリスと日本の学問の場の違いや、学問の楽しさと自由についても触れ、現代の学問の課題として、成果をまとめる場の重要性を指摘する。また、大英博物館のリーディング・ルームでのマルクスの努力が感動的である。他にも学問は手軽で安価な娯楽であり、多様な目的や欲望が学問の発展を促すと述べる。2024/10/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22112732
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品