中公新書<br> 長篠合戦―鉄砲戦の虚像と実像

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中公新書
長篠合戦―鉄砲戦の虚像と実像

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  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121027856
  • NDC分類 210.48
  • Cコード C1221

出版社内容情報

武田の騎馬隊に対し、織田・徳川連合軍は鉄砲を駆使した新戦法で圧勝したとされる。史料を検証し、虚飾に彩られた合戦の実像に迫る。

内容説明

一五七五年、織田信長・徳川家康の連合軍と、武田勝頼率いる軍勢が激突した長篠合戦。足軽鉄砲隊の一斉射撃という信長の新戦法により、武田の誇る騎馬隊が潰滅した、画期的な戦いとして知られる。小説や映像で繰り返し描かれるこの鮮烈なイメージは、どのように形作られてきたのか。伝来する合戦図屏風ほか、様々な関連史料を検証し、虚飾に彩られた決戦の実像に迫る。最新研究をふまえて提示する、長篠合戦論の総決算。

目次

第1章 織田信長の革新的戦術―これまでの長篠合戦(長篠合戦はどういういくさとされているのか;長篠合戦像はどうつくられてきたのか)
第2章 両軍激突―大将たちの長篠合戦(なぜ長篠城を攻撃したのか―武田勝頼の場合;なぜ馬防柵と鉄砲なのか―織田信長の場合;武田氏から三河を守る―徳川家康の場合)
第3章 鉄砲戦の幻影―つくられる長篠合戦(天正三年五月二十一日の経過;当事者・同時代人の証言;江戸時代における長篠合戦の物語化)
第4章 彩られるいくさの記憶―ひろまる長篠合戦(酒井忠次と鳶巣山砦攻撃;奥平信昌と長篠城籠城戦;合戦図〓風による図像化)
終章 刷新された長篠合戦像

著者等紹介

金子拓[カネコヒラク]
1967年(昭和42年)、山形県に生まれる。東北大学文学部卒業後、同大学大学院に進み、文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。現在、東京大学史料編纂所教授。専門分野は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

127
長篠合戦について客観性のある史料では鉄砲への言及は少なく、酒井忠次率いる別動隊による長篠城救援作戦が中心だったという。それが江戸時代には参加武将の子孫による先祖顕彰もあって次第に物語化され、戦国の歴史が一変する大会戦とされていった事情が見えてくる。家康絶対視が浸透した江戸期に、武田に圧迫され続けた徳川が信長の支援を受け窮地を脱した歴史的戦争と位置付けられたのだ。徳川支配の正当性を強調するため、鉄砲3千挺で武田軍を壊滅させる信長の軍事的天才ぶりが強調されたのが逆に今日まで至る英雄信長像を確定したのは皮肉だ。2024/02/09

HANA

61
馬蹄を轟かせ攻め寄せる武田軍に対し、馬防柵の内側から鉄砲三段撃ちを浴びせかける織田徳川連合軍。従来長篠合戦というと脳裏に浮かぶのはこのようなイメージである。現在では三段撃ちは虚構であることが明らかにされているが、本書は実際の合戦の推移から時代を経るに従って変化するその内容と、何故それが生まれたのかまでを丹念に追った労作。前半の推移は信長が合戦に消極的だった事や武田が前に出るしかなかった理由等、意外な事実が明らかになり一気読み。後半の時代を経て三段撃ちが成立するまでは、歴史ミステリを読む趣さえしました。2024/06/25

よっち

39
小説や映像で繰り返し描かれる長篠合戦の鮮烈なイメージはどのように形作られてきたのか。伝来する合戦図屏風や様々な関連資料を検証しその実像に迫る1冊。どういう戦いとされてきたのか、長篠合戦像はどう作られてきたのか。武田勝頼、織田信長、徳川家康それぞれの視点から考察するこの戦いの意図。長篠合戦をめぐる記述の変容、当事者・同時代人の証言、江戸時代における長篠合戦の物語化、鳶巣砦攻撃や長篠城籠城、子孫たちの顕彰や合戦屏風図による図像化などを踏まえて改めて考えると、また違った長篠合戦像が見えてきたような気がしました。2024/01/22

みこ

22
長篠の合戦に関する著者の研究の成果をまとめてもらった。桶狭間の合戦のように信長英雄史観を剝がすことで実像が見えてくるが、実はそれは江戸時代に徳川史観で固められたはずの家康を主人公とする合戦だった。勝頼が多くの将兵を死なせることになった経緯や信長がいわば助っ人参戦する経緯などが明らかになり今まで知っていた長篠合戦とは異なる物語を知ることができ非常に興味深い一冊だった。願わくば去年の大河の前に読みたかった。2024/01/17

寝落ち6段

19
火縄銃の三段撃ち、武田騎馬隊、織田信長、徳川家康!というように心躍る文言が並ぶ長篠合戦。少数が大多数を倒すという逆転劇に心が熱くなる。歴史は、誰かが語り、記録したことの集合体である。事実を事実のまま記録することは難しく、記録を残す者は必ず残す記録を選んでいる。記録者の心情も過分に加味されて、記録してしまう。読み取る側は、そういうバイアスがあることを意識して、精査しなければならない。それを丁寧に行っている本書に好感をもてる。長篠合戦の新しい姿が見えてきて、より興味をそそられた。2024/11/08

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