出版社内容情報
孝とは、親を大切にすることで、儒教の基本的な徳目のひとつだ。儒教とともに日本に伝わり、養老律令では、孝行者の表彰が定められた。以来、孝子は周囲から尊敬される存在だった。江戸時代には表彰が盛んに行われ、多くの孝子伝が編まれた。しかし、戦後には軍国主義に結びついたとして否定される。それは、常に為政者の押しつけだったのか。豊富な資料で孝行を辿り、日本人の家族観や道徳観に迫る
内容説明
孝とは、親を大切にすることで、儒教の基本的徳目だ。律令で孝行者の表彰が定められ、七一四年に最古の例が見られる。以来、孝子は為政者から顕彰され、人々の尊敬を集めた。特に江戸時代は表彰が盛んに行われ、多くの孝子伝が編まれた。明治に入り教育の中心に据えられるが、戦後、軍国主義に結びついたとして否定された。それは常に支配者の押しつけだったか。豊富な資料で「孝」を辿り、日本人の家族観や道徳観に迫る。
目次
第1章 孝はいかに日本へ持ち込まれたか―古代から中世へ
第2章 孝の全盛期―江戸時代
第3章 幕府の政策?庶民の娯楽?
第4章 荒唐無稽な逸話の秘密
第5章 孝子日本代表を探して
第6章 〓外と太宰の視線―近代文学と孝
第7章 軍国主義下の子供たちへ―明治から敗戦まで
第8章 敗戦で孝は消えたのか
著者等紹介
勝又基[カツマタモトイ]
1970年、静岡県生まれ。九州大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員、ブランダイス大学客員教授を経て、明星大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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