中公新書<br> ドイツ・ナショナリズム―「普遍」対「固有」の二千年史

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中公新書
ドイツ・ナショナリズム―「普遍」対「固有」の二千年史

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  • サイズ 新書判/ページ数 336p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121026668
  • NDC分類 234
  • Cコード C1222

出版社内容情報

アメリカの世界覇権が陰りを見せるなか、欧州で主導権を握り、存在感を増すドイツ。しかし英仏など周辺国からの反撥は根強い。そこには経済をはじめとする国力の強大化への警戒感だけでなく、放漫財政を指弾し、難民引き受けや環境保護を迫るなど、他国にも西欧的=「普遍」的価値観に照らして「正しい」ことを求めるドイツの姿勢がある。二千年にわたる歴史を繙き、ドイツはいかにしてドイツとなったのかをさぐる。

目次

第1章 発展(九~一七八九年)―ローマ=ゲルマン世界の「普遍」支配(ローマ世界とゲルマン世界との融合;キリスト教的世界を狙うドイツ;宗教改革・宗教戦争・宗派共存)
第2章 抵抗(一七八九~一九四五年)―ドイツ「固有」の自己主張(フランス革命と新しい「普遍」の登場;欧州勢力均衡とドイツ連邦;ドイツ帝国の勃興と孤立;ドイツ国民国家の共和制的再編;大ドイツ帝国の興亡)
第3章 萎縮(一九四五~一九九〇年)―ドイツ「固有」の自己否定(国家消滅と「修正による再出発;二つの「普遍」大国に従属する東西ドイツ;ドイツ的過去の封印;「六八世代」と「破壊による再出発」;歴史家論争から憲法愛国主義・多文化主義へ)
第4章 再生(一九九〇~二〇二一年)―新しい「普遍」支配と「固有」の復権(「九〇年世代」の登場;「六八年世代」にいよるドイツの大国化;国民的尊厳の再構築;甦る君主制・教会・軍隊の伝統;「知的戒厳令体制」への反抗;「過去の克服」のブーメラン効果;東独の植民地化とオスタルギー)

著者等紹介

今野元[コンノハジメ]
1973年(昭和48年)、東京都に生まれる。ベルリン大学第一哲学部歴史学科修了、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、Dr。phil、博士(法学)(東京大学)、愛知県立大学専任講師、准教授を経て、現在、愛知県立大学外国語学部教授。専門は欧州国際政治史、ドイツ政治思想史、日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

101
東西統一後のベルリンで旧東ドイツ共和国宮殿を訪れたが、粗末な外観と入居するスーパーだけが明るい内部に驚いた。その建物も撤去され復元された帝国時代の王宮に象徴されるように、事実上欧州を率いるドイツが明確な意見を表明するようになった。ナチスの過去から低姿勢外交を貫いてきたのが、なぜナショナリズム的な態度を隠さなくなったか。グローバル化による経済困難と移民難民の急増でリベラル一辺倒な歴史認識と政治が通用しなくなり、過去が新しい普遍として受け入れられたのだ。時代の変化の激しさにドイツ自身も立ち尽くしているようだ。2023/02/28

skunk_c

67
サブタイトルにあるように、「普遍」に対する「固有」の挑戦をナショナリズムと捉えてドイツの歴史を概観する。神聖ローマ帝国のような「普遍」に対するプロイセンなどの「固有」の領邦、カトリックという文字通りの「普遍」に対するルターのドイツ的な「固有」の聖書主義。そんな中で異質なのはヒトラーのドイツ的「固有」を「普遍」化しようとする思想かもしれない。フランス(ナポレオン)~英米の民主主義的「普遍」から劣等者扱いされていたドイツが、その構図をそのまま東欧~ロシアに当てはめていたという見方は確かに上手い説明と思う。2023/04/10

HANA

65
世界的「普遍」と地域的「固有」、この二つの対立、もしくはアンビバレンツな感情を元にドイツのナショナリズムを紐解いていく一冊。この二つの対立は西洋米国以外どこでもありそうだが。前半はドイツの通史でこれが最後まで続くなら「普遍」対「固有」というタイトルにする必要無いのではと思ったが、本書の眼目は後半の第二次世界大戦が終わってから。西洋的な普遍的価値に対するドイツ人の動きで、なるほどこれはタイトル通りと膝を打つ。面白いのはドイツの戦後の動きが我が国と軌を一にする部分もある事か。他人事でない気がしつつ読み終える。2021/11/08

BLACK無糖好き

23
ドイツ・ナショナリズムが古代から二千年の歴史において、西洋的「普遍」とドイツ「固有」のせめぎ合いの中でどのような変遷を辿ったかのマクロ分析。古代や中世にナショナリズムとしての概念が存在したのかはわからないが、なんらかの共同体的概念(原初主義?)はあったのだろう。何れにしてもスケールの大きな試みでもあり、このテーマを新書のフォーマット内に収めきった著者の研究者としての凄みは感じられた。◇ドイツが「普遍」を担った中世・近世の歴史を鑑みれば、ドイツが現在EUの中心的存在に君臨するのも何かの必然なのだろうか。2021/11/23

にしがき

16
👍👍👍 超充実した内容。ドイツという国の成り立ちから始まり、第二次世界大戦を経て、欧州を牽引する立場になった現代(本書はメルケル政権終わるまえの2021年発行)までのドイツの歴史とそのナショナリティーが詳しく述べられている。/仕事でドイツ人と接する機会があるが、出身地域の違いは話題にのぼるし、「東」時代の話しもよく聞く。今は移民/移民にルーツを持つ人も多い。本書は彼らの話しをより深く理解するのに役立つ。ただ、自分には新規よ情報が多すぎたので、またいつかドイツ知識が増えたら再読したい。2022/10/31

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