中公新書<br> 徒然草―無常観を超えた魅力

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中公新書
徒然草―無常観を超えた魅力

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  • サイズ 新書判/ページ数 286p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121025852
  • NDC分類 914.45
  • Cコード C1295

出版社内容情報

鎌倉時代末期に兼好法師によって書かれた日本文学史上屈指の古典『徒然草』。現在は「無常観の文学」との理解が主流だ。しかし、ベストセラーだった江戸時代には、もっと多様な読み方がされていた。江戸幕府に仕えた儒学者の林羅山は儒教に基づく注釈書を作り、近松門左衛門は兼好法師を色男として浄瑠璃の題材にした。本書は『徒然草』の知られざる章段や先達の読みを通じて、その奥深さに迫る。

内容説明

鎌倉時代末期、兼好法師が著した日本文学屈指の古典『徒然草』。自然の移ろいに美を見いだし、死や老いが主題の随想を含むため「無常観の文学」という理解が主流だ。しかし、ベストセラーだった江戸時代には多様な読み方がなされた。江戸幕府に仕えた儒者の林羅山は儒教に基づく注釈書を作り、近松門左衛門は浄瑠璃で兼好を色男として描いた。本書は『徒然草』の知られざる章段や先達の読みを通して奥深さと魅力に迫る。

目次

序章 徒然草の誕生
第1章 「つれづれ」とは何か
第2章 教科書に載らない章段
第3章 兼好の巧みな話芸
第4章 黙読だけではない楽しみ方
第5章 古典としてのポテンシャル
終章 再び「つれづれ」とは何か

著者等紹介

川平敏文[カワヒラトシフミ]
1969年福岡県生まれ。九州大学大学院博士後期課程修了。九州大学准教授。博士(文学)。熊本県立大学文学部助教授、准教授を経て、2010年より現職。専攻は日本近世文学・思想史。著書『徒然草の十七世紀』(岩波書店、2015年/やまなし文学賞、角川源義賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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trazom

55
「徒然草」に対する色んな問いかけが面白い。「つれづれ草」か「徒然草」か。吉田兼好か卜部兼好か兼好法師か。「つれづれ」とは、退屈か、寂寥感か、無常感か、悟りか。仏教から、儒教から、国学から見て、それぞれどう評価できるのか。滑稽か、教訓か。文学か、思想か。時代とともに、これらの問いかけに対する評価が変遷していく様子がよくわかるが、本書での議論が「徒然草」の本質に迫っているかというと、どうも違う感じがある。少しズルい総括だが、「「なりきり」の文学」というまとめ方は、案外的を射ているのかもしれない。2020/05/15

みこ

26
教養として徒然草について学びたいと思い手に取った一冊。そもそも。徒然草自体が悟りの境地に達した隠者によるありがたい教えの数々ではなく、笑い話もあれば色恋の話もある自由気ままに書かれたものだった。それを兼好法師という当代一の知識人が書いたものだから後世の人間が勝手に有難く奉ってしまった。ふと思ったのが、現代の若者の深層心理を克明に掘り下げた直木賞作家の朝井リョウ氏が肛門の持病との闘いをつれづれに描いた「風と共にゆとりぬ」も700年後にはありがたい教養書のような扱いを受けるのだろうか。2020/08/09

bapaksejahtera

23
古典徒然草について書題つれづれの語義や二百段を超える内容夫々について、受容の歴史を述べている。冒頭歴史学の成果に基づく「吉田」兼好に係る通説の誤りを全面的に受入れ、しかも私も既読の川平敏文説を援用する所が興味深い。但しその記述は一部に留まり、文学として歌僧正徹により発表を意図せぬ遺稿として書写された起点、その内容の多岐に渡る点、よって思想的に矛盾に満ち、講釈にも利用された魅力的な内容、又江戸期には多くのパロディーが出版された事等が精細に描かれる。「なりきり」によって紡ぎ出す近代的な文学性の先取例であろう。2023/05/06

tamami

23
兼好法師の「徒然草」について、徒然(つれづれ)という言葉を中心に、近世から近現代に至る読みの変遷を実証的に追ったもの。当時の文献が多数示されており、原文、読み下し文の双方が載せられていて読みやすい。「徒然草」の名と、章段のいくつかは知ってはいたが、多様な解釈の仕方や教科書にはない章段のおもしろさを教えられ、改めて原文を読んでみたい思いに駆られた。テキストを脇に置いての読書となったが、作品にもよるのだろうけれども、特に古典の場合には、読みが校注者の考え方にかなり左右されるということを思わされた。著者は※2020/05/04

色々甚平

12
徒然に含まれていた意味が今の退屈と受け取られる言葉になってしまった変容の経緯という言葉の変化を知ることができる。徒然草も時代ごとに作品へのイメージが変わっているのも面白い発見だ。授業では恋愛パートは扱わないということで妙に高尚なものとして受け取られる理由だろうか。また、国文学者という存在も、ただの排他的な国粋主義者にしか見えないので関連書を読んでみようと思う。労作なのが伝わる内容で、新書だから小難しすぎず、だからといって内容を薄くしないものだった。2020/12/04

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