出版社内容情報
本書は、鉄道という近代的な技術および組織を通して、ドイツの複雑な軌跡を描く。帝国を形成する過程、二つの世界大戦、そして東西に引き裂かれた後、再びの統一……。政治家、官僚、鉄道技師、学者、そして怪人物などの足跡も交えながら、大きな潮流を捉える試み。
内容説明
1815年、大小さまざまな主権国家の集合体・ドイツ連邦が誕生。以降、ドイツは帝国、共和国、ナチス、東西分裂、そして統一へと、複雑な軌道を疾走した。同時代に誕生した鉄道という近代技術を担った人びとと、その組織からドイツを論じる。統一国家の形成や二度の世界大戦などの激動に、鉄路はいかなる役割を果たしたのか。「富と速度」(ゲーテ)の国民経済を模索した苦闘とともに、「欧州の盟主」の実像を描き出す。
目次
序章 ドイツ鉄道史ひと筆がき―「本書の構成」に代えて
第1章 鉄道建設の背景―ドイツをもとめて
第2章 鉄道時代のはじまり―一九世紀初頭~一八三〇年代
第3章 初期鉄道建設の担い手たち―一八三〇~四〇年代
第4章 鉄道の一九世紀ドイツ経済史
第5章 ドイツ的な、あまりにドイツ的な?―国家官僚制と鉄道
第6章 鉄道技師の世界、あるいは怪人vs役人
第7章 幕が下りてから―一八四八・四九年革命とその後
第8章 ドイツ・ライヒの鉄道
第9章 国際化と戦争と
第10章 共和国からナチス・ドイツへ―一九二〇年代後半~一九四五年
第11章 「時流が厳しく分けたもの」―二〇世紀後半のドイツ国鉄
終章 過去と未来の鉄道
著者等紹介
〓澤歩[バンザワアユム]
1966年、大阪府生まれ。大阪大学大学院経済学研究科教授。博士(経済学)。大阪大学経済学部卒、同大学院経済学研究科博士後期課程中退。滋賀大学経済学部助手、在ベルリン日本国総領事館(当時)専門調査員、大阪大学大学院経済学研究科助教授などを経て、2010年より現職。著書『ドイツ工業化における鉄道業』(有斐閣、2006年、第50回日経・経済図書文化賞)、『鉄道人とナチス』(国書刊行会、2018年、第44回交通図書賞、第20回鉄道史学会・住田奨励賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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