出版社内容情報
私有地の約20%で、すでに所有者がわからない。地価下落による相続放棄や空き家問題の本質であり、行政も解決断念する実態を描く
内容説明
持ち主の居所や生死が判明しない土地の「所有者不明化」。この問題が農村から都市に広がっている。空き家、耕作放棄地問題の本質であり、人口増前提だった日本の土地制度の矛盾の露呈だ。過疎化、面倒な手続き、地価の下落による相続放棄、国・自治体の受け取り拒否などで急増している。本書はその実情から、相続・登記など問題の根源、行政の解決断念の実態までを描く。
目次
第1章 「誰の土地かわからない」―なぜいま土地問題なのか(空き家問題の根源―森林・農村から都市へ;なぜ管理を、権利を放置するのか;法の死角―あいまいな管轄、面倒な手続き;下落する土地の価値―少子・高齢化、相続の増加)
第2章 日本全土への拡大―全国888自治体の調査は何を語るか(死亡者課税による“回避”―災害とは無関係の現実;相続未登記、相続放棄の増加―土地に対する意識の変化;行政の解決断念―費用対効果が見込めない)
第3章 なぜ「所有者不明化」が起きるのか(地籍調査、不動産登記制度の限界;強い所有権と「土地神話」の呪縛―人口増時代の“遺物”;先進諸外国から遅れた現実―仏、独、韓国、台湾との比較)
第4章 解決の糸口はあるのか―人口減少時代の土地のあり方(相続時の拡大を防げるか―難しい法改正と義務化;土地の希望者を探せるか―管理・権利の放置対策;「過少利用」の見直しを―新しい土地継承のあり方)
著者等紹介
吉原祥子[ヨシハラショウコ]
1971(昭和46)年神奈川県生まれ。94年東京外国語大学タイ語科卒業。タイ国立シーナカリンウィロート大学へ国費留学。米レズリー大学大学院修了(文化間関係論)。98年より東京財団勤務。現在、東京財団研究員兼政策プロデューサー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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