出版社内容情報
刺胞動物、節足動物、軟体動物、棘皮動物、脊索動物。陸で、海で、空で生き抜くために進化した、生物たちの体のつくりの秘密に迫る!
内容説明
ハチは、硬軟自在の「クチクラ」という素材をバネにして、一秒間に数百回も羽ばたくことができる。アサリは天敵から攻撃を受けると、通常の筋肉より25倍も強い力を何時間でも出し続けられる「キャッチ筋」を使って殻を閉ざす―。いきものの体のつくりは、かたちも大きさも千差万別。バッタの跳躍、クラゲの毒針、ウシの反芻など、進化の過程で姿を変え、武器を身につけたいきものたちの、巧みな生存戦略に迫る。
目次
第1章 サンゴ礁と共生の世界―刺胞動物門
第2章 昆虫大成功の秘密―節足動物門
第3章 貝はなぜラセンなのか―軟体動物門
第4章 ヒトデはなぜ星形か―棘皮動物門1
第5章 ナマコ天国―棘皮動物門2
第6章 ホヤと群体生活―脊索動物門
第7章 四肢動物と陸上の生活―脊椎動物亜門
著者等紹介
本川達雄[モトカワタツオ]
1948年(昭和23年)、仙台に生まれる。1971年、東京大学理学部生物学科(動物学)卒業。東京大学助手、琉球大学助教授(86年から88年までデューク大学客員助教授)、東京工業大学大学院生命理工学研究科教授を歴任、東京工業大学名誉教授。理学博士。専攻は動物生理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
137
2017/4/15 ジュンク堂書店三宮駅前店にて購入。 2018/7/2〜7/9 歌う生物学者として有名な本川先生の本。なんと今回は楽譜まで付いている! 内容は刺胞動物門、節足動物門、軟体動物門、棘皮動物門、脊索動物門の5つの門を取り上げ、進化と動物の形に注目している。いやいや、面白いなぁ。高校生くらいのときにこういうの読んでいたら、自分の進路も変わっていたかも。2018/07/09
kinkin
130
まさにタイトルどおり。改めて昆虫含めこの本に出てくる生き物たちの素晴らしさに驚くとともに感動した。体のしくみや基礎となる物質、運動能力など丁寧な解説でわかりやすかった。よく虫けらという言葉を耳にするがこれからは言い方を替えたほうがよさそうだ。人が空を飛べるか、軽くてかつ丈夫な体を持っているか・・・人は考えることができ話すことができるというものの、現代においてはそれらの能力が災いして自分たちの世界を破壊しているようだ。この本はそんなことも考えさせられた一冊でもある。再読したい本。2017/06/02
ぶち
110
興味深い内容で、すごく面白いです。 とても硬派な内容なのに、説明がうまいので理解しやすかったです。 それにしても、生物の体型デザインというか生存戦略の巧みさは驚きの連続です。共通の先祖からどうしてこんなにも多様な生物が進化してきたのか興味はつきません。 ウニやなまこの形にそんな意味があったのか。デザインに隠されたその生物の生きる戦略と合理性に、知的興奮の連続でした。2018/05/01
s-kozy
91
すごいなぁ。「こんな姿になったのは、なぜ?」それにはみんな答えがある。全動物の七割以上が昆虫、その大成功の秘密は?「クチクラ」が鍵なのね。貝はなぜラセンなのか?成長する時のコストの問題なのね。ウミユリとヒトデとウニとナマコは仲間なのね(棘皮動物門)。では、なんでヒトデは星形なの?有効な腕数と滑走路説には感動だなぁ。奇数であることにこんな意味があるなんて、本当にすごい。「自分は好奇心が強い」と思っている方、本書を読んでみてください。その好奇心が満たされること請け合い。小さいことにも大きいことにも意味がある。2018/01/30
トムトム
74
本川先生の本を読んでいると、人間の常識なんてどうでもよくなります。ナマコ、ウニ、ヒトデ、サンゴ、様々な生物が様々なルール・常識で見事に生き抜いています。生命の進化は結果論。人間から見ると訳の分からない生物をずーっと研究している本川先生が、大好きです!2020/09/18