中公新書<br> 毛沢東の対日戦犯裁判―中国共産党の思惑と1526名の日本人

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中公新書
毛沢東の対日戦犯裁判―中国共産党の思惑と1526名の日本人

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  • サイズ 新書判/ページ数 260p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121024060
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C1221

出版社内容情報

日中戦争等に関与した千名を超える日本人戦犯は、思想改造を経て、裁判では極めて寛大な判決が下される。その背後には何があったのか。

内容説明

1950年代、満洲国や日中戦争などに関与した日本人1526名が、建国直後の中国で戦争犯罪人とされた。戦犯管理所では5年間に3段階の思想改造が行われた結果、裁判での死刑はなく、東京裁判やBC級戦犯裁判と比べ、極めて寛大な判決が下される。その背後には何があったのか。新たに公開された史料から、戦犯らの犯罪行為、思想改造、日本人への怨嗟が渦巻く中、毛沢東や周恩来ら指導者が抱いた思想と戦略を明らかにする。

目次

第1章 中国の虜囚―一五二六名の戦争犯罪人
第2章 思想改造―抵抗から受容へ
第3章 戦犯の政治利用―日本への秋波
第4章 日本人戦犯裁判―「寛大」処理の裏側
第5章 帰国後の戦犯たち―毛沢東思想の伝道と中帰連
終章 「毛沢東の対日戦犯裁判」とは何だったのか

著者等紹介

大澤武司[オオサワタケシ]
1973(昭和48)年東京都生まれ。96年中央大学法学部法律学科卒、2000年埼玉大学教養学部卒、06年中央大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(政治学)。(独)日本学術振興会特別研究員(DC2・PD)などを経て、熊本学園大学外国語学部准教授。専攻、中国近現代史・日中関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

46
新中国において、日本人戦犯は処刑者を出さず穏健に帰国できたとして「奇蹟」とも語り継がれている。著者はそうした認識から距離を置き、膨大な資料を読み解いたている。結果として中国の外交的戦略から寛大な判決になったとしている。収容所内の戦犯に対する「教育」が洗脳とみなされる例もあったが、その後の平和運動に対する一定の功績があったようだ。私もやたらと奇蹟と呼んだりはしないが、収容所内部の職員も親類が日本軍に殺害された者が多い中でよく穏便に済ませられたものだと思う。なんだかんだで努力は無駄にしたくはないものだ。2022/10/09

かごむし

28
まず一言。知らなかった!中国で語るもおぞましい虐殺等を行った日本兵は、戦後、戦犯となった。しかし中国は革命的な人道主義に基づいて寛大な取り扱いを行ったという。その寛大さに、家族を皆殺しにされ、看守となり、これで家族の仇を討てると喜び勇んだある中国人は、あまりの悔しさにむせび泣いたという。また、収監中に思想改造プログラムに則って、自らの罪を見つめた日本兵の、鬼畜の所業におののく様は、戦争の悲惨さを実感させる。寛大な判決の裏には、もちろん政治的な駆け引きもあるが、その奥に新生中国の高い志のようなものを感じた。2017/07/11

CTC

10
11月中公新書新刊。著者は熊本学園大准教授。中華人民共和国の成立は1949年10月。大陸での対支戦関連の戦犯裁判は中華民国との間で(884被告、約1割が死刑)。本書は国共内戦参加により(半強制含む)残留の戦犯容疑者や、シベリアから移送された「中国人民に対する罪」容疑者の、中共による処置が題材。 終戦時の蒋「以徳報怨」方針は、対中共上武装や華北・華中の接収を促進する意味があり、実際、岡村寧次支那派遣軍総司令官は、国民軍による武装解除を方針とし、故に終戦後中共との戦闘で七千もの日本将兵が死傷したそう。2016/12/17

勝浩1958

9
筆者は中国帰還者連絡会の理事であった国友氏の「中国政府の我々戦犯に対する政策には道理がある。人を人として扱わず残酷な手段で殺傷し、手柄を立てたと思って高笑いするような思想を捨て、侵略戦争の罪を認め、被害者に謝罪して、再び人殺しの銃剣をとらないことを誓うことこそ、人間の尊厳を知った者の正しい行為ではないだろうか。」を引用している。日中友好を貫いた国友氏であったが、この思いは私としては納得できない。毛沢東は中国人民をどれだけ情け容赦なく殺したことか。毛沢東は人間の尊厳など思いもつかない極悪人であったと想う。2017/01/07

ネコ虎

7
トンデモ本。中国共産党をよいしょする宣伝本。洗脳を思想改造と称し、従軍慰安婦で名をあげた詐話師吉田清治のようなトンデモ人物を大量生産したのがこれ。まさに悲劇の日本人であるにもかかわらず、中国を「寛大」と評価するこの大澤という著者はこれでも学者といえるのか。あきれてものが言えない。三光作戦や認罪などなんの根拠もないのにそのまま受け入れる大澤。またこんな本を企画した中公新書担当もどうかしているぜ。2016/12/15

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