出版社内容情報
会議やプレゼンはいつでも予定通りには進まない。ファシリテーター(進行役)は、どうやって「場」を動かしていけばよいのか。
内容説明
どれほど準備しても、会議は思い通りにはいかない。「鶴の一声」で流れがガラッと変わるときもあるし、予定通りに進めても不満が出ることもある。コミュニケーションによってどのように「場」が作られるのか。会議の進行役=ファシリテーターは、「場」の雰囲気をどう読み、動かしていけばよいのか。あるファシリテーターの動きを追いながら、会議やプレゼンテーションなどの、よりよいコミュニケーションのあり方を提示する。
目次
第1章 コミュニケーションをとらえなおす
第2章 空間・時間・情報を整える
第3章 現場では何が起きているか
第4章 専門家に学ぶ
第5章 「理論」と「実践」が出合う
第6章 よりよいコミュニケーションを目指して
著者等紹介
加藤文俊[カトウフミトシ]
1962年京都生まれ。85年、慶應義塾大学経済学部卒業。同大学大学院経済学研究科修士課程、アメリカ・ペンシルバニア大学大学院修士課程、ラトガース大学大学院コミュニケーション研究科Ph.D.課程修了(Ph.D.)。龍谷大学国際文化学部講師等を経て、現在、慶應義塾大学環境情報学部教授兼同大学院政策・メディア研究科委員。専攻・コミュニケーション論、メディア論、定性的調査法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
141
私は昔から会議については、本当に必要な場合だけ行なってしかも1時間以内、出資料はA4版1枚で事前に出席者に配布してください、ということをお願いしてきました。この本ではどちらかというと、コミュニケーションに力を置いていてそこのところにかなりのウェイトを置かれています。大賛成で、私もプロジェクトなどでもコミュニケーションの大事さをいつも言ってきましたが、会議でもただ自分のセクションのことをいうだけではなく、本音と問題点を浮き上がらせるべきなのでしょうね。2017/01/18
cape
21
ワークショップの観察を通して読み解く、コミュニケーションと場。空間、時間、情報をどう整えるのか。そこにはカチッとしたスキルとしてのマネジメントではなく、空気を感じながら柔軟に対応するファシリテーションがある。『会議のマネジメント』というタイトルとは中身は違って、コミュニケーションと場の考察といった内容。いずれにしても、このコミュニケーションと一括りにされる厄介なものへの前向きなスタンスが参考になる。2019/01/13
かごむし
19
空気を読まない人が偉いような現代の風潮があるが、この本では、そこにいる人たちの(無言のものも含めた)コミュニケーションの堆積がいわゆる場の空気なのであって、どうすれば場の空気をよい方向へ主導できるかを、具体的なファシリテーター(進行役)の行動を通して考えてみましょうという本。「場」そのものに対する議論はとても新鮮なものであったし、「場」というものは、参加者全員が作っていくコミュニケーションの堆積であるのだから、経験則から導かれるあるべき形式を求めていくとかえって本質を見失うという指摘はとても参考になった。2016/12/31
Hachi_bee
8
「会議のマネジメント」とされているが、本書を読み進むにつれ、「学校の授業も会議である」と認識するようになった。そして、(いわゆる普通の)会議も授業もコミュニケーションの一形態であり、関係性が重要であることを実感できた。 pp.160〜の節「コミュニケーションの内容と関係性」は、全ての教員に読んでもらいたい。2019/02/26
keisuke
5
結局のところコミュニケーションは相手あってのことだし、様々な条件のもとに成り立っているので、明確な方法などない。空間、時間、情報を考えていくことで改善することはできるかもしれないけど、いくらでも不測の事態は起きる。難しいですね。2016/09/24