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中公新書
世襲格差社会―機会は不平等なのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121023773
  • NDC分類 366.29
  • Cコード C1233

内容説明

格差の拡大が国際的な話題になって久しい。トマ・ピケティなどが指摘するように、格差は親の世代から子の世代へと受け継がれるようになっている。本書は、日本における世襲と格差の関係を分析し、そのメカニズムを明らかにする。世襲される職業とされない職業の違い、同族企業の位置づけ、世襲の功罪など多様なテーマに挑む。そして、世代交代が進む社会で、職業を継ぐことの意味や機会の平等とは何かを問い直す。

目次

第1章 二極化する世襲
第2章 世襲の歴史的背景
第3章 継がれなくなりつつある仕事
第4章 親から子どもに継がせようとする仕事
第5章 継ぐか、継がないかを分かつもの
第6章 世襲の功罪
終章 機会の平等を考える

著者等紹介

橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年、兵庫県生まれ。67年、小樽商科大学商学部卒業。69年、大阪大学大学院修士課程修了。73年、ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。79年、京都大学経済研究所助教授。86年、同大学同研究所教授。2003年、同大学経済学研究科教授。07年、同志社大学経済学部教授。この間、INSEE、OECD、大阪大学、スタンフォード大学、エセックス大学、London School of Economicsなどで教職と研究職を歴任

参鍋篤司[サンナベアツシ]
1977年、大阪府生まれ。2001年、京都大学経済学部卒。2007年、京都大学大学院博士課程修了、博士(経済学)。京都大学及び早稲田大学助教、日本学術振興会特別研究員(PD)、オックスフォード大学客員研究員、OECDコンサルタントを経て、東京大学大学院経済学研究科特任研究員、株式会社政策基礎研究所フェロー。専攻は労働経済学、経済政策論、応用計量経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

91
世間の皆が感じていること、開業医は世襲が多いとかをデータで裏付け、その理由と仕組みをわかり易く整理。余り目新しいことはなかった。コラムでプロ野球選手のケースをやけに詳しく論じていたのは楽しかった。(長嶋親子の場合とか。)  私はいちばん問題だと思うのは国会議員の世襲。利益集団と化した後援会により擁立されたぼんぼんばかりになってしまう。たしかに有能な方もおられるが、他の人の立候補を阻害し機会均等に反してる。親族と同じ選挙区から立候補できないようにするとか制度改革が必要と思う。医師の世襲については、⇒ 2024/01/19

アナーキー靴下

61
親子三代警察犬指導士、というご家族をテレビで見て、犬の機微や扱い方を子供の頃から教えてもらえる環境とは何て羨ましい! と思う反面、ずっとインターン状態みたいなものだとしたらきつ過ぎるな…とか色々想像してしまった。お気に入りの方のレビューで本書を知り、そうした生え抜きゆえの修業期間の圧倒的格差、みたいな話もあるかと期待したがほぼなかった(と思う)。伝統的な職業が生産性を上げることが難しく所得が低い、は目から鱗。論旨からは逸れるが、農業が労働集約的職種との記述、現代の農業は資本集約的なところはないのだろうか。2024/05/31

佐島楓

51
辛口な論調で興味深く読んだ。あくまで「世襲」にスポットライトがあたっているので、具体的な経済格差の問題にあまり切り込んでいないような印象を受けた。2016/07/30

おさむ

30
格差論の伝道師(笑)、橘木センセイがゼミの教え子と書いた新書。政治家や経営者、学者、医師、芸術家、スポーツ選手‥こうした世界は世襲が目立つが、世襲には良いものと悪いものがあるというのが著者達の結論。ピケティのように「世襲資本主義」は機会平等の原則に反する。ただ、うまく世襲が作用することもある、という指摘は首肯できる。あまり感情的にならない事がこの問題を考える上で重要だと感じる。2019/06/12

skunk_c

16
日本社会の格差について早くから指摘してきた著者の最新作。内容は予想通りで、いわゆる生産手段としての資産を個人で所有するケースに世襲が多くなり、医者と農家で分かるように、それは必ずしも所得が高いものだけではないが、同業で比べると世襲の方が有利な場合が多いとか。政治家については様々な分析がなされているが是非については明確な結論を避けている。これは学者としてデータの扱い方の良心なのだろうが、やや肩すかしな印象。ただし、世襲政治家が裕福な家庭で育ったことが、現在の格差社会に対する認識不足の原因という指摘には同感。2016/11/01

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