内容説明
40年にわたって論文執筆と審査に携わってきたがん研究者が、卒業論文から学会発表まで、説得力あるドキュメントと惹きつけるプレゼンテーションの極意を指南する。文系、理系を問わず、知的三原則“簡潔・明解・論理的”がその秘訣。三原則にしたがって論文、申請書をどう書くかを具体的に説明する。グローバル化が進む21世紀、英語とのつきあい方、学び方についても実践的に説く。待望の知的表現力講座開講。
目次
第1章 理系、文系の区別はない
第2章 日本語は非論理的か
第3章 知的三原則“簡潔・明解・論理的”
第4章 説得力のあるドキュメントを書く
第5章 審査する.評価する.推薦する
第6章 人を惹きつけるプレゼンテーション
第7章 英語の世紀を生きる
第8章 コンピュータを使いこなす
著者等紹介
黒木登志夫[クロキトシオ]
1960年、東北大学医学部卒業。専門:がん細胞、発がん。東北大学(現)加齢医学研究所助手、助教授(1961‐71)、東京大学医科学研究所助教授、教授(1971‐96)。この間、ウィスコンシン大学留学(1969‐71)、WHO国際がん研究機関(フランス、リヨン市)勤務(1973、1975‐78)。昭和大学教授(1997‐2001)。岐阜大学学長(2001‐08)。日本癌学会会長(2000)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
95
久しぶりに再読。知的文章の要諦は「簡潔・明瞭・論理的」。これを知的三原則と云うそうです。また、起承“転”結ではなく起承“展”結には目から鱗!確かに転ではレゲットの樹に成りかねないですね。再読必須の良書だと思います。2017/02/04
佐島楓
53
大学で発表を求められることがよくあるため、参考にしようと思う。2018/07/24
KAZOO
36
題名通り、非常に知的な文章術の本だと思います。かなりの参考文献を読んでのご自分で自ら体験したことを書かれていて参考になりました。通り一遍だとは思われないきめ細かなところまで書かれています。理科系の人で論文作成をなされる方は必読の本だと感じました。2014/11/09
まさこ
16
論文や申請書の書き方についての指南書。理系寄り。日本語と英語。短くまとまり分かりやすい。Globish、という考えはどのくらい浸透しているのだろう?たまたま英語が世界語になったという捉え方は気軽で中立で良いと思う。簡単に学べて、多くの人に通じる言語があるということが大切。その先に流暢な英語や英語文化への理解はもちろんあってもよい(なくても構わない)。考えに自信を持っていればよく、そのためには最も馴染む母語で思考することが大切なのは明らか。個人的には、相手に言葉が通じる喜びこそ根源的なもの、と考えたい。2021/03/10
荒野の狼
12
文系と理系の違い、日本語の特徴、世界言語としての英語(Globish)、科学研究の論文執筆とプレゼンテーション、研究費の申請と評価、コンピュータの活用法、データの整理法、Wikipediaをはじめとするインターネットの情報源などの広い範囲を網羅した本。全242ページで科学者らしい明解な文章なので、通読は容易ですが、章ごとが独立しているので、個々人の興味のある章のみを読んでも有益です。2011/06/27