中公新書<br> 原爆と検閲―アメリカ人記者たちが見た広島・長崎

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中公新書
原爆と検閲―アメリカ人記者たちが見た広島・長崎

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020604
  • NDC分類 070.253
  • Cコード C1222

内容説明

日本の敗戦直後、連合国側の記者たちは、原爆投下の「結果」を報じるため、広島・長崎をめざした。ある者は個人で、ある者は軍の力を借りて。彼らは新聞・通信社・ラジオなど大手メディアの敏腕記者たちだった。だが、彼らが息を呑んだ被爆地の惨状はそのまま伝えられることはなかった。本書は、記者たちが広島・長崎で何を見、何を記述したのかを明らかにし、その上でなぜ惨劇が伝わらなかったのか、その真相を探る。

目次

序章 被爆地へ向かった三人
第1章 航空特派員たちが見た広島
第2章 アメリカでの掲載記事
第3章 長崎ルポと変わる論調
第4章 アメリカの検閲―第二次世界大戦下
第5章 占領下日本の検閲
第6章 航空特派員の“任務”
終章 被爆地を見た記者たちのその後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

壮の字

69
大戦中、陸軍の中に含まれていた米航空軍は、戦後の再編成では独立した「空軍」という立場を勝ち取りたかった。そのPR活動の一環で、10人を超える民間報道マンを「航空特派員」として広島・長崎へ派遣した。ジャーナリストの眼はそこで何を見て、どう伝えたのか、あるいは伝えなかったのか。彼らのほとんどが「検閲」が過去の歴史となった後年に至っても、原爆使用の正当性を当然としている事実に唖然。心の中に「愛国心」という名の自己検閲機関を抱えているとすれば、ジャーナリズムが紛争を制御するという姿は単なる幻想にすぎない。2017/08/02

樋口佳之

27
日本政府は、広島・長崎原爆投下直後の八月一○ 日、スイス政府を通じて米国政府に「米機の新型爆弾による攻撃に対する抗議文」を発し、原爆投下を批判した/米国政府は今次世界の戦乱勃発以来再三にわたり毒ガス乃至その他の非人道的戦争方法の使用は文明社会の輿論により不法とせられおれりとし、相手国側において、まずこれを使用せざる限り、これを使用することなかるべき旨声明したるが、米国が今回使用したる本件爆弾は、その性能の無差別かつ惨虐性において従来かかる性能を有するが故に使用を禁止せられおる毒ガスその他の兵器を遥かに凌駕2018/08/10

coolflat

22
GHQによる強制的な検閲によって、占領下における原爆報道は統制されたというのが定説になっている。実際に原爆そのものの威力は詳細に記すが、残留放射線を打ち消す文を加えたり、原爆症には触れなかったりと、こと被爆については徹底した“検閲”が行われた。そしてGHQが占領下日本で検閲を行ったことが、被爆の実相についての無知や無関心を引き起こしてきたし、世界に被爆の惨状が伝わらなかった一つの原因だと言われてきた。ところが実際にはGHQの検閲はそれほど徹底したものではなかった。要因として大きかったのは“自主検閲”だと。2017/08/05

更紗蝦

16
連合軍・占領軍側では原爆に関する報道がどのように規制されたのかを検証した本です。てっきり苛烈な言論弾圧が行われたのかと思っていたのですが、実際には「自主検閲」という形で原爆投下を正当化したり残留放射能の懸念を書かなかった例が多く、米国の敏腕記者でも「空気を読む」ということが分かり、とても意外でした。日本人の「空気読み体質」との違いは、米国人はプロパガンダよりも愛国心の影響が強いという点です。米国人の記者は、ジャーナリストとしての使命よりも、「アメリカ人として正しい」と思った行動を優先したということです。2017/03/17

korrya19

12
アメリカは原爆をどのように報道したかを中心に書かれた著書。 愛国心をたてに報道規制を行い、それにジャーナリストも準じる形で、一層自らも自主規制してしまうということ。 何だか、最近の我が国の姿とも重なり、ゾッとした。 特に戦後処理に向けて国が考えることは、いかに自国にとって有利に物事を運ぶかということ。原爆を使用したことを正当化するためのプロパガンダは国としては当然のことなのだろうが、そこで横並びの報道しかできないのであれば、ジャーナリストは地に堕ちる。 それが今も連綿と続いているなら…怖いことです。2015/03/07

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