内容説明
読みにくい日本語では、誰にも読んでもらえない。説得力のある、わかりやすい文章をどう書くか。短文を意識すること、語順や読点に敏感になること、段落の構成や論証の仕方に気を配ること。そして、起承転結ではなく、「結」起承「展」。これだけで、文章の説得力はぐんとアップする。本書では、作文に役立つ「使える定型表現」のリストも大々的に披露。日本語力を、生きていく上での強力な武器とするための指南書。
目次
1 作文術の心得―短文道場(書き言葉は「外国語」;書くとは「引用」 ほか)
2 文をまとめる―段落道場(文から文章へ;段落とはなんだろう ほか)
3 段落を組み立てる―論証道場(「強い」論証と「弱い」論証;人は「権威」に弱い ほか)
4 定型表現を使いこなす―日本語語彙道場(オノマトペを見直す;慣用句を見直す ほか)
著者等紹介
野内良三[ノウチリョウゾウ]
1944年(昭和19年)東京に生まれる。東京教育大学文学部仏文科卒。同大学院文学研究科博士課程中退。静岡女子大学助教授、高知大学教授を経て、関西外国語大学国際言語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
98
ひと昔前であれば、上級管理職や卒論・修論・博論などを書く人が、読めれば良かったという内容です。それら以外にも、ブログを書いて多少なりとも収入を得ようかと考える人にとっては必見の書。「実用文」を書くつもりの人は、本書で示されている書き方と照らし合わせながら書くと、文章技術が向上すると思う。散文・エッセイ・詩などを書くつもりの人は、その限りではないが。2014/04/20
Kazehikanai
17
それほど期待していなかったが、これはなかなか。日本語の特殊さ、読点の使い方、文節の並べ方、論証方法など、伝わる文章の書き方の心得や作法やコツが、実に実用的にまとめられている。巻末の定型表現集も含めて、すぐにも参考にできるものばかり。著者の言う通り、文章の書き方はそれほど学ぶ機会はない。この本はいい。勉強になった。さて、読んだ結果、書いたこの感想はその成果が出ているのか。ちょっと心もとないが、点滴石を穿つと言う。残んの余韻。蒔かぬ種は生えぬ。前途遼遠、酔生夢死にはならぬように。。。2020/01/12
masabi
13
【概要】読みやすい・分かりやすい・説得的、となる文章の書き方を解説する。【感想】他の文章指南本と重なる部分が多くあり、コンパクトで手元に置いておきたい。動詞中心の自然な日本語で書かれた論文形式の文章が達意の文章となる。筆者の独創的な主張としては、紋切り型といった定型表現を推奨する点が挙げられる。月並み、陳腐と退けられがちな定型表現を使うことで認識を揃えられる。巻末には筆者が収集した定型表現集に一章が割かれる。なかには即座に引用できないものもあり勉強になった。2022/12/23
浅香山三郎
10
読みやすいこと、分かりやすいこと、説得力があること、の3点を念頭に置いた作文術の指南書。定型表現を使いこなすといふ視点から、さまざまな実例を挙げる(Ⅳ 日本語語彙道場)など、親切さに満ちた構成である。外国語大学の教員といふ立場から、日本語の特性を活かした論理的な方針が示されてをり、座右に置いて、適宜参照したくなる書物である。2024/03/24
Kentaro
7
日本語力は、生きていく上での強力な武器だ。とはいえ、確かな日本語力を手に入れるにはそれ相応の修練が必要だ。 読みにくい日本語では誰にも読んでもらえない。説得力のある分かりやすい文章をどう書くか。単文を意識すること、語順や読点に敏感になること、段落の構成や論証の仕方に気を配ること。さらに、読みにくい日本語を和文和訳することで名詞中心の読みにくさから、動詞中心の読みやすく分かりやすい表現への向上が見られる。 最後には、使える定型表現もリストアップされ、通常の文章に入れて、日本語力を向上させるのに役立つ内容だ。2018/09/29