内容説明
聖武天皇には三人の娘がいた。生涯不婚を定められ、孝謙天皇(重祚して称徳天皇)となって権力を振るった阿倍内親王。光仁天皇の皇后でありながら、夫を呪詛したとして大逆罪に処された井上内親王。恵美押勝の乱に加わった夫を失った後、息子たちの謀反に連坐、流罪とされて没年すら伝わらない不破内親王。凄惨な宮廷闘争の背景にあったのは何か―。皇位継承の安定のために人生を翻弄された三人の皇女の物語。
目次
序章 松虫寺の墓碑銘
第1章 三姉妹の誕生
第2章 それぞれの出発
第3章 塩焼王流刑
第4章 遺詔
第5章 道祖王、杖下に死す
第6章 今帝、湖畔に果つ
第7章 姉妹の同床異夢
第8章 皇后の大逆罪
第9章 返逆の近親
終章 松虫姫のゆくえ
著者等紹介
遠山美都男[トオヤマミツオ]
1957年(昭和32年)、東京都に生まれる。学習院大学文学部史学科卒業。同大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程を中途退学。学習院大学、立教大学、日本大学非常勤講師。97年、学習院大学より博士(史学)の学位を授与される。日本古代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大阪魂
48
やっぱ中公新書の歴史もんは面白いわー!奈良時代、天智・天武の孫・文武天皇と藤原鎌足の孫・宮子との間にできた天皇中の天皇・聖武天皇。その皇位継承ルールに縛られてむちゃくちゃ大変な人生を送った娘3人、犬養広刀自との娘・井上内親王と不破内親王、光明皇后との娘・阿部内親王(孝謙・称徳天皇)の生涯をおっかけた本。塩焼王とか井上内親王の失脚の理由とかは強引すぎな気したけど、天武系vs天智系の皇位争いはなかったとか、桓武天皇は新王朝つくった気やったんやってとこなんかはすっきり!下手な小説よりも面白かった!他もよみたい!2021/08/09
ユウユウ
25
久しぶりにじっくり読んだ新書。合わせて里中満智子さんの『長屋王残照記』と『女帝の手記』も読んで、倍面白かった。筆者は聖武天皇を非常に個性の強い天皇としており、里中さんの描く聖武天皇とはまた違ったイメージでした。この辺大学で学んだことを思い出し、懐かしくもなりました。2019/11/04
鯖
23
生涯未婚を貫いた孝謙帝、夫を呪詛した咎で処刑された井上内親王、息子の謀反の罪に連座流罪の末、没年すら分からない不破内親王。聖武帝の娘である三姉妹の生涯を追った本。歴史上で三姉妹といえば浅井三姉妹の茶々初江だろうけど、それが目じゃないくらいに全員しんどい。誰もが異なる幸せと異なる不幸に生きるのだろうけど、誰かひとりくらい平穏に死なせてあげたかった。ただ彼女たちをそうさせたのは聖武帝な気がしてならないし、藤原氏もえげつない政争繰り返す前に、聖武帝のとこに光明皇后の他に2,3人、后を送り込めよ…と思ってしまう。2019/09/22
こぽぞう☆
21
平安時代に解釈された内容を疑うわりに、著者の現代的な解釈に疑問。また、随所に引用文があるが出典が明らかでない。聖武天皇が藤原氏の傀儡ではなく、強い個性を持っているという内容は面白かった。2017/04/05
kenitirokikuti
12
図書館にて。奈良平城京時代の後半の本を積んでいるところである。本書の刊行は2010年だが、2016年後半の天皇の退位宣言のちに『天平の三皇女』と改題・大幅改稿して河出文庫に。そちらも手に入れたので詳しくはそちらで書こう▲飛鳥・奈良時代の皇位継承については天武系が断絶したことがよく言われるが、その見方は朱子学であるようだ。新井白石は単に徳の有無としていた。後世から眺めると、平城京はすぐ平安京に移っちゃうので、奈良時代の研究は比較的薄めであるようだ2024/06/24
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