出版社内容情報
『善の研究』が出版されて100年。日本哲学は「自分で考える」ことから始まった。その歴史を概観し具体的に思考する場面に立ち会う。
内容説明
明治初年にフィロソフィーという考え方が移入されて以降、日本哲学にはいくつものドラマが生まれた。例えば漱石や鴎外のように、文学と混淆していた黎明期、西田幾多郎が『善の研究』で日本中の青年を魅了し、田邊元や和辻哲郎が西洋の哲学者と切り結びつつ独自に思想を花ひらかせた頃、西田とはまったく異なる文体で大森荘蔵や廣松渉が哲学を語り始めた戦後…。本書によってはじめて、近代日本哲学の沃野が一望される。
目次
第1部 近代日本哲学の展望―「京都学派」を中心にして(前史―西田幾多郎まで;学派―下村寅太郎まで;転回―マルクスの衝撃;終焉―田中美知太郎へ)
第2部 近代日本哲学の名著―五つの問題群を中心にして(ことばへの視線;身体性と共同性;具体性の思考へ;社会性の構造へ;哲学史への視点)
著者等紹介
熊野純彦[クマノスミヒコ]
1958(昭和33)年、神奈川県に生まれる。86年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。北海道大学助教授、東北大学助教授等を経て、東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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