出版社内容情報
検査だけでなくがん治療の切り札と期待されている放射線治療の実力は? 医療の現場、行政の対応、患者の期待と不安をレポート。
内容説明
健康志向からか検査好きの国民性からか、CTはじめ先端画像機器の普及がめざましい。がんの治療に、手術や化学療法でなく放射線治療を選ぶ医師・患者も増加している。QOL(生活の質)維持に最適で、コストパフォーマンスにも優れているからである。しかし、過剰検査、専門医・医療スタッフの不足、診療報酬制度など課題は多い。医療の現場、診断・治療装置の現況、行政の対応、患者の期待と不安を取材、放射線医療の可能性を探る。
目次
第1章 検査大国日本
第2章 医療用放射線を使い分ける
第3章 進化を続けるCT、MRI
第4章 過剰(過少)照射事故の教訓
第5章 放射線治療の仕組みと臨床
第6章 増加するがん患者への対応
第7章 緩和ケアを中心にした放射線治療
第8章 新たな放射線治療技術
第9章 これからの放射線医療
著者等紹介
大西正夫[オオニシマサオ]
1946年(昭和21年)、北海道に生まれる。1971年、北海道大学文学部英文科卒業。同年、読売新聞社入社。水戸支局、科学部を経て、2000年、調査研究本部主任研究員。06年に退職後、医事ジャーナリスト。現在、埼玉医科大学医学教育センター客員教授、東京医科大学兼任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
47
レントゲンやCTでの被ばくがいかに軽視されているか、その背景の構造もよくわかった。安易な画像診断はいけない、けれど患者サイドとしては不安だから検査していただくわけだが・・・。2016/03/24
たるとじい
0
日本の医療と海外の医療の違いがなるほどと思う。医療被曝はあまり考えたことがなかった。当たり前にCTとか使っているが、一度立ち止まって考える必要がある。放射線と上手く付き合っていきたい。2015/06/19
paluko
0
日本人は「放射線治療」に対する抵抗感が特に強いとか。やはり原水爆の国民的トラウマは大きいなとしみじみ。2010/08/08
ポッキー
0
医療ジャーナリストだそうですが、なかなか分かりやすい一冊。2009/04/12
しんのすけ
0
放射線治療の理解と普及を考えさせられる内容。必要ない医療被曝にも問題提起をしていた。放射線の歴史も知ることが出来た。実際に、がんになったら一読を薦める。 2009/11/14