出版社内容情報
戦後日本にとって「格差をなくす」とはこういうことだった──。
「全員が百点!」――戦後日本社会がつくりあげてきた特異な「平等」観。これを義務教育におけるお金の動きに焦点を合わせて解読する。
内容説明
戦後教育において「平等」はどのように考えられてきたのだろうか。本書が注目するのは、義務教育費の配分と日本的な平等主義のプロセスである。そのきわめて特異な背景には、戦前からの地方財政の逼迫と戦後の人口動態、アメリカから流入した「新教育」思想とが複雑に絡まり合っていた。セーフティネットとしての役割を維持してきたこの「戦後レジーム」がなぜ崩壊しつつあるのか、その原点を探る。
目次
プロローグ 平等神話の解読
第1章 対立の構図と問題の底流
第2章 戦前のトラウマと源流としてのアメリカ
第3章 設計図はいかに描かれたか
第4章 「面の平等」と知られざる革命
第5章 標準化のアンビバレンス
エピローグ 屈折する視線―個人と個性の錯視
著者等紹介
苅谷剛彦[カリヤタケヒコ]
1955年(昭和30年)、東京に生まれる。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、Ph.D.(社会学)。放送教育開発センター助教授、東京大学大学院教育学研究科助教授、同大学院教授を経て、オックスフォード大学教授(2009年9月まで東京大学大学院教授を兼務)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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