出版社内容情報
たとえば、目の前の湯呑。私たちはこれをどのようにして認識しているのか。マルブランシュの驚愕すべき結論とその論理的射程とは。
内容説明
たとえば、目の前の湯呑。私たちはこれをどのようにして認識しているのか。一七世紀フランスの哲学者マルブランシュの結論は、驚くべきものである。「われわれはすべてのものを神の内に見る」。この理説によって、非常識陣営の大立て者と目される裏で、彼は自然主義との壮絶な調整を続けていた。古代プラトン主義と近代デカルト主義を併呑した彼の理論が、ついには現代現象学へと肉薄する過程を、明晰・精緻に描き上げる。
目次
第1章 物体の認識を可能にする理論的条件(三つの延長概念;「すべてのものを神の内に見る」理説;第1章まとめ)
第2章 自然的判断(物体の個別的空間規定;延長;初版における自然的判断;第二版以降の自然的判断 ほか)
著者等紹介
木田直人[キダナオト]
1973年(昭和48年)、兵庫県生まれ。1996年、東京大学法学部卒業。2003年、東京大学文学部思想文化学科(哲学)卒業。現在、東京大学大学院博士課程人文社会系研究科基礎文化研究専攻(哲学)在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鳩羽
6
なるほど、分からん。2015/11/25
Bevel
0
叡智的延長によってすべての物体的な性質が非延長的な精神に与えられるとする触発理論と、物質的延長(啓示的に与えられる個別的振動)と感覚的延長(神の実効性の対象)の対応を満足させる心身結合理論の二系統がマルブランシュにはある。これは「すべてのものを神の内に見ること」において統一される。この認識理論を可能性の条件として、すべての感覚が自然的判断だという説が検討される。不可抗的判断は、習慣によって感覚と混同される意志作用による。これは純粋悟性が関わらない真理に結び付き、自然主義、生命原理とともに肯定される。2012/03/24
Ex libris 毒餃子
0
デカルトとかヒュームとかバークリーとかスピノザが好きな人向け2009/11/02
よはん
0
タイトルに惹かれて読んでみたが、正直良くわからなかった。科学的というよりも哲学・神学的な感じ。★★☆☆☆2009/02/06