出版社内容情報
マヤ文明、アステカ文明が栄えた地メキシコ。独立戦争やメキシコ革命など幾多の激動を乗り越えた国の素顔を古代から現代まで描く
内容説明
「太陽の国メキシコ」と言えば、わたしたちは陽気なマリアッチや古代文明を思い起こす。だが重層的な民族構成や文化をもつメキシコは、「仮面をかぶった国」と言われ、なかなか素顔を見せない。この複雑なメキシコの歴史を、マヤやアステカにはじまり、植民地時代、レフォルマ戦争、メキシコ革命などをへて現代まで概説するとともに、イダルゴやサパタなど、それぞれの時代を特徴づける神がかり的な英雄たちを紹介する。
目次
第1章 文明の出合い
第2章 搾取と布教の時代
第3章 独立記念日
第4章 憎き星条旗
第5章 先住民の勇ましさ
第6章 白昼夢をみた皇帝
第7章 族長の功罪
第8章 革命精神は死んだのか
第9章 現代メキシコ
著者等紹介
大垣貴志郎[オオガキキシロウ]
1943年(昭和18年)大阪市生まれ。京都外国語大学イスパニア語学科卒業。ナバラ大学大学院(スペイン)とエル・コレヒオ・デ・メヒコ(メキシコ大学院大学)を修了し、両大学院でPh.D.(歴史学)取得。京都外国語大学助教授をへて、現在、同大学教授、京都ラテンアメリカ研究所所長。専攻・ラテンアメリカ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スター
71
面白かった。1492年の、コロンブスによる、後に西インド諸島と呼ばれる場所への到達に始まり、スペイン人のコルテスによるアステカ侵略、スペインの植民地から独立してのメキシコ建国、そして現代に続く歴史の流れが綴られる。 コルテスはスペイン人だけでアステカを侵略したのかと思いきや、アステカ帝国内の不満分子と連携して行ったのは、初めて知りました。2019/04/28
skunk_c
47
日本ではメキシコは中南米に分類されるが、当のメキシコ人は北米にこだわる。多分それは国土の半分をアメリカに奪われたからだろう。そのあたりの事情から、アメリカを信用しないメキシコの様子が垣間見られる。一番面白かったのはメキシコ革命のくだりで、個性的な人物が権力を争うさまがドラマチック。映画を見ているようだった。クリオージョからメスティーソへと権力の中心が移っていくあたりも劇的。小学校の頃のオリンピックとその後のボクシングでよく流れていたメキシコ国歌のメロディはよく覚えているが、その歌詞の内容も紹介されている。2019/10/23
coolflat
15
メキシコの歴史、大まかな流れ。古代メキシコ期(~15C、テオティワカン文明、マヤ文明、アステカ文明)~スペイン植民地時代(15C~19C前半、途中1701年のスペイン継承戦争を経て、ハプスブルク朝→ブルボン朝へ)~メキシコ独立戦争(1810~1821年、イダルゴ)~米墨戦争(1846~1848年、サンタ・アナ期)~ナポレオン三世によるフランス干渉戦争(1861~1867年、フアレス期)~ディアス長期独裁政権時代(1867~1910年)~メキシコ革命(1910~1940年、マデロ、ビージャ、サパタ)~現代。2019/11/12
fseigojp
13
同系統で中米の歴史が望まれる グアテマラとかパナマとか2015/08/05
ごん
8
昔、ジミー大西さんのギャグで「メキシコ!メキシコ!」と叫ぶだけのやつがありましたが、今、考えると何が面白かったのでしょうか。 さて物語メキシコの歴史ですが、記述はメキシコ独立から現代に至るまでに重点が置かれています。戦争と独裁と革命のサンドイッチの歴史です。暴力で権力を奪取し権力を維持し続けるにも暴力は必要ですが、権力を正当化するには、暴力だけではやっぱり無理で、民主主義や人権や公正な社会作りが欠かせないということでしょうか。それはどの国の歴史にも言えることですが、なかなか難しいのかもしれません。2024/09/21
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