出版社内容情報
1961年、43歳で米大統領に就任し、3年後、凶弾に倒れたジョン・F・ケネディ。政治家として、理想化されがちな彼の実像を描く。
内容説明
一九六一年、四三歳で米大統領に就任し、三年後、凶弾に倒れたジョン・F.ケネディ。名家に生まれ、海軍士官、下・上院議員として活躍し、一気に頂点に登り詰めた彼は、理想を追い求めた政治家として「神話」化されている。だがその一方で、家族、宗教、女性、病魔といった問題に常に苛まれていた。本書は、虚弱だった成長期から繙き、米ソ冷戦下、政治家としてどのように時代と対峙し、生きようとしたか、その実像を描く。
目次
第1章 「ケネディ家」の次男
第2章 「戦争の英雄」から下院議員へ
第3章 下院議員時代―リベラルと保守の狭間で
第4章 上院議員時代―結婚・入院・外交
第5章 大統領への道―予備選、ニクソンとの戦い
第6章 大統領の一〇〇〇日
第7章 暗殺
終章 女性スキャンダル、病、そして遺産
著者等紹介
土田宏[ツチダヒロシ]
1947年(昭和22年)茨城県生まれ。72年フォーダム大学を卒業、74年ニュースクール・フォア・ソーシャル・リサーチの修士課程を修了後、上智短期大学講師・助教授を経て、93年より城西国際大学人文学部国際文化学科教授。専攻、アメリカ政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sk
6
アメリカのヒーローであるケネディだが、親の資産に助けられたとか持病持ちだったとかいう情けない側面もしっかり書いている評伝。2017/08/03
ふみあき
5
「ケネディ神話」なんて言葉があるくらいで、まさにドラマのような人生。一家の期待の星である優秀な兄が戦死したため、突如、父親から兄の志を継いで大統領を目指せと、半ば無理矢理に担ぎ出される。しかし頑健な兄とは対照的に、頭痛、腹痛、腰痛、排尿障害など、あらゆる病苦に恒常的に見舞われ、母親から「病気の百貨店」と憐れまれるほどの蒲柳の質。枕頭に神父を呼ばれることも一再ではなかった。恵まれた家系に生まれたとは言え、よく大統領という激務を務められたものだと思う。2021/03/13
父さん坊や
5
生い立ちってかなり神格化されていたのですね!もう一度読んでみます! 2018/10/21
おらひらお
5
2007年初版。富を価値とした父親の次男が、努力や献身に価値を見出すまでの変遷にもう少しページを割いてほしかったですが、よくまとまっているケネディ本。ニクソンもテレビ討論会に出なければ・・・。皆が思うようにケネディが暗殺されずに任期を全うしていたら、今とは異なるアメリカの姿があるかもしれませんね。参考文献も充実した一冊です。2013/05/10
コロニ
4
滑り込み6月分。名前だけは非常に有名で、キューバ危機と暗殺されたことは知ってるけどそれ以外はあんまり知らない人だったケネディ。もちろん人間なので、いいとこも悪いとこもあるわけで、その中で何を成し遂げたのかが重要。ではあるものの、成果としてもこれからって感じだったのね。だから伝説化するのでしょうが。暗殺の謎は近現代史の謎の一つだよね、いつかスッキリするのかしら。2018/06/29