中公新書
年金問題の正しい考え方―福祉国家は持続可能か

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  • サイズ 新書判/ページ数 273p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019011
  • NDC分類 364.6
  • Cコード C1233

出版社内容情報

「自分が年をとったときには年金制度はつぶれてなくなっているのではないか」――本来、人々に安心をもたらすはずの年金制度が、逆に大きな不安材料となっている。年金制度の適切な運営は、国防・治安・教育と並ぶ、政府の重要な機能の一つである。少子高齢化が進むなか、安心して信頼できる制度を作るにはどうするべきか。基礎年金の消費税化や一元化を検討し、本当の公平さと福祉国家の将来像を提示する。

内容説明

「自分が年をとったときには年金制度はつぶれてなくなっているのではないか」―本来、人々に安心をもたらすはずの年金制度が、逆に大きな不安材料となっている。年金制度の適切な運営は、国防・治安・教育と並ぶ、政府の重要な機能の一つである。少子高齢化が進むなか、安心して信頼できる制度を作るにはどうすべきか。基礎年金の消費税化や一元化を検討し、本当の公平さと福祉国家の将来像を提示する。

目次

1 信頼衰退の根源にあるもの(年金に加入するのは損か得か;世代間格差はなぜ生じたか;格差と負担増をめぐる二つの誤解)
2 制度の持続可能性―二〇〇四年改正を検証する(年金会計の基本;年金の収支バランスを維持するには)
3 世代間と世代内の公平性(相対的年金水準とは何か;未納は本当に問題なのか;基礎年金の消費税化を検討する;年金の一元化とは何か;税方式あるいは積立方式への転換論について)
安心して信頼できる年金をめざして

著者等紹介

盛山和夫[セイヤマカズオ]
1948(昭和23)年、鳥取県生まれ。東京大学文学部社会学科卒業、東京大学大学院社会学研究科社会学専攻博士課程中退。博士(社会学)北海道大学助教授、東京大学助教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

脳疣沼

2
<再読> 年金関連の本の中で、これまで一番勉強になった本。大体の争点は網羅されているし、論理的にかなり明確に示しており、色々と勉強した後に再読すると、その説明の分かりやすさに感動する。おすすめ。2019/03/08

脳疣沼

2
年金は長い目で見れば持続不可能な状況に追いやられているが、複雑な構造のために誤解も多い。たとえば年金の本を読むと、やたらと積立方式を推している人がいて、ついそれにつられてしまったりする。しかし当然ながら反対意見もあるわけであり、その辺は冷静に考えないといけない。本書は誤解しがちな年金問題について、詳細に分析検討がなされており、とても勉強になる。年金制度改革はもちろんどうなるかわからないが、それでもちゃんと年金を払った方が良いだろうと確信が持てる。2016/03/02

ゆずりんご

1
年金問題の本質を考えさせられた。一番重要な点は、個人にとって得か損かなんて問題ではない。社会全体にとって望ましいか望ましくないかが判断材料であるという点。その上で政治屋が持続可能な仕組みを作り上げることが必要。我々も賃金再評価制、2004年の改正について理解を深めないといけない。「払わんと貯蓄」っていうのは3、40年のスパンを考えたとき物価上昇、インフレのリスク高すぎであり得へん思想や思う。現行のままでは持続可能かは出生率と賃金上昇率がカギだとよくわかった。積立方式のデメリット、一元化の課題も理解できた。2011/10/23

numainu

1
評価D2008/02/13

す○○

0
年金は税方式にすべきと思っていたが単純な話しではなかった。制度の存続を脅かす事態は避けなければならないが未納者を追及することは将来の給付債務を増加させ財政的にはプラスと言えないという指摘は新鮮であった。世代間格差は相続による資産の移転も考慮しないとならないので年金の枠だけでは語れない。年金や社会保障の問題は複雑で本当に難しい。でも誰しも生きていれば着実に高齢者になっていく。自分の頭で理解できたことは現役時は年金保険料をきちんと負担しつつ老後は年金以外にも資金を確保しておくことが大事ということ。2017/11/11

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