内容説明
インターネットを介したオンライン将棋が盛んだ。しかし、盤駒を使う将棋の魅力が減じたわけではない。木の宝石といわれる黄楊に、美しい漆で文字をあしらった将棋駒は、遊具を超えた工芸品としての魅力をもっている。材質や書体をはじめ、鑑賞やコレクションに必要な知識を美しい写真とともに紹介。
目次
第1章 駒の基礎知識―基礎知識を学んで、駒の魅力にふれる
第2章 バラエティーに富んだ書体―駒に彩を添える
第3章 名工たちの軌跡―「五人の名工」を中心に
第4章 使われてこそ名駒―傷ついても、いやます魅力
第5章 将棋用具とのつきあい方―いい駒・いい道具にめぐり合うために
著者等紹介
増山雅人[マスヤママサト]
1949年(昭和24年)、東京に生まれる。明治大学政治経済学部卒。編集プロダクション・逍遥舎経営。多数の棋書を編集。酔棋という号をもち、駒作りを続けている。「将棋駒研究会」所属、「将棋ペンクラブ」会員。『駒のささやき』(駒研出版会)では、編集長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mitei
73
将棋の駒に注目したことがなかったが奥の深いものだなと実感。2013/11/30
kazi
29
将棋駒の世界、完全にマニアの世界です。名工が作る盛上駒などは、将棋というボードゲームの“単なる道具”という役割を完全に超越してる。価格的にも天井知らずの古美術品・工芸品の世界。木の宝石というべき美しい名品の数々を写真で鑑賞できる楽しい一冊でした。宮松影水作による赤柾の名品とか、将棋かじった人間なら誰しもが憧れますよね~。現在なら数百万円レベルの影水作盛上駒が、生前は最高木地でも5万円くらいだったなんて・・!本書で初めて知りました・・。このような深遠な芸術は評価されるまでに時間がかかるって事かな?2020/11/29
けんとまん1007
12
多少、将棋は知っているので、馴染みやすい。それにしても、奥深いものだと思った。それと、子供の頃に使っていたような駒も掲載されていて、とても懐かしかった。確かに、いいものは、使うに従ってその材料の特性が現れてくるだけでなく、味わいも深まっていく。それと、駒だけを観る場合と、将棋盤との組み合わせで観るのでは、こんなにも雰囲気が違うとは、驚きだ。どれも、単に、伝統だけなく、芸術の域に達していると思うし、関わる人の生き方も映し出されるのかもしれないと思う。2013/12/10
Gamemaker_K
10
将棋の駒に特化した本。YouTubeで将棋の駒ができるまでの映像を見たことがあるが、気が遠くなるような細かい作業を積み重ねて作られる。そりゃ高くもなるよな。死ぬまでに一度くらい国産黄楊の盛り上げ駒で対局してみたいものだけど。・・・将棋を覚えた時、はじめて買ってもらったのは300円くらいのプラスチック駒だった。指し心地のいい駒だったな、と今でもその手触りを思い出すことができるのだ。2025/04/20
ばぶでん
7
プロにより闘われる将棋やその人間ドラマには興味はあったものの、駒には関心がなかったところ、雑誌で美しい駒を見て俄然興味が湧きだした。高名なプロが所有する最高級品レベルになると百万、二百万もするようだが、斑入や根杢の盛上駒は正しく芸術品というべき美しさがある。自分も数万くらいの彫埋駒をヤフオクで入手したいと思うようになった。個人的な好みの書体は錦旗、源兵衛清安、淇洲あたり。だけど、将棋盤はないし、大きなものを買っても置く場所に困ってしまうのは明らかなので、買う意味があるのだろうか・・・。2015/02/21