中公新書<br> ブリュージュ―フランドルの輝ける宝石

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中公新書
ブリュージュ―フランドルの輝ける宝石

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018489
  • NDC分類 235.8
  • Cコード C1222

出版社内容情報

中世以来の華麗な建築群、圧倒的なフランドル芸術の至宝。「北方のヴェネツィア」の魅力を生き生きと描く。

内容説明

ブリュージュ、このフランドル地方の都市は、中世において商業や文化の中心地として、訪れた人々を驚かす活況を呈していた。市内に張りめぐらされた水路網を通じて各地から多彩な商品が運び込まれ、街は豪奢で美しいゴシック建築で満ち溢れていった。こうした都市空間の整備と文化の振興は、フランドル絵画に代表される「もう一つのルネサンス」の華々しい開花を準備する。“北方のヴェネツィア”の歴史的豊かさを活写。

目次

第1章 誕生
第2章 繁栄のモチーフ
第3章 フランドルの宝石―都市の美学
第4章 都市の祝祭と記憶
第5章 アルティザンからアーティストへ―アルス・ノヴァの世界
第6章 ブリュージュの近代と「神話」の形成

著者等紹介

河原温[カワハラアツシ]
1957年(昭和32年)、東京に生まれる。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科西洋史専攻博士課程中退。ヘント大学文学部留学。ニューヨーク市立大学大学院客員研究員を経て、首都大学東京都市教養学部助教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

292
西洋史専攻の著者がブリュージュの文化史を縷々述べたもの。ヘント大学への留学経験を持つ著者のフランデレン、とりわけブリュージュへの愛着が伝わってくる。ブリュージュの歴史はローマ時代にまで遡ることができるが、現在の姿が形成されるのは中世期から。しかも私たちにとってはありがたいことに(住んでいる人たちにはそうではないだろうが)、政治的、経済的に重要であった地位をアントワープに取って代わられ、以来「時の流れの忘れもの」となって、今では「天井のない美術館」と呼ばれ、街がそっくり世界遺産となっている。2018/06/17

サアベドラ

14
「北方のヴェネツィア」と謳われたフランドル(フランデレン)地方の都市ブリュージュ(ブルッヘ)の歴史と文化を紹介。著者は中世低地地方の都市史の専門家で、現在は首都大の教授。ブリュージュに対する熱い想いが随所に見られ、新書の割にかなり濃い内容。ブルージュ好き(有名な観光地なのでそういう人もいると思う)にはたまらない本だが、そうでもない人が読むとその密度に胃もたれするかもしれない。『読んで旅する世界の歴史と文化 オランダ・ベルギー』のブルージュの記述(p. 128)と対照的で、読み比べるとちょっとおもしろい。2013/05/09

Saiid al-Halawi

5
これから読もうと思ってた『死都ブリュージュ』のネタバレを唐突された件について。2013/01/31

ぽてと

4
『死都ブリュージュ』なんて小説があるくらいなので陰鬱な街なのかと思っていたが、美しい建築と運河、ファン・エイクやメムリンクのような大画家との縁、華やかな祝祭があり、そうでもないようだ。貿易港としての地位をアントウェルペンに奪われたあとも、装飾写本など付加価値の高い産業で生き残り、女性が自身で売春宿を運営したり、貧民救済の仕組みを整えていたりなど、文化に目を向けなくとも興味深い、歴史ある都市だと思う。2016/07/20

リッチー。

4
欧州低地地方の古都の栄枯盛衰を、最も繁栄した中世にフォーカスして紹介する学術入門書。ベルギーに留学経験がありその後もしばしば訪れているという著者オススメの店情報もあるので観光のお供にもよさそう。毛織物産業で振興し交易で栄え、フランドル派と呼ばれる芸術の中心地にまで成長しながら、結局は衰退していく有様は諸行無常としか言いようがない。2014/11/21

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