中公新書
日本の庭園―造景の技とこころ

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  • サイズ 新書判/ページ数 292p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018106
  • NDC分類 629.21
  • Cコード C1226

出版社内容情報

神の庭から人間のにわへ、日本庭園の歴史と、植栽、石組、庭橋など作庭技術を詳細かつ平明に解説する。名園36景の見方、味わい方も紹介。

内容説明

石と水、そして木。日本庭園はこれらを美しく組み合わせ、その地の自然と歴史と文化を一体として表現した。方寸のなかに宇宙を展望しようとしたのである。その構成はどのようなものか、魅力はどこから生じるのか。神仏の庭、貴族の庭、大名庭園、庶民の庭を訪ねて考察する。また、植栽、石組、水工などの作庭技術を詳細に解説する。名庭名園三十六景の見方、味わい方も具体的に紹介する、本格的日本庭園入門書。

目次

プロローグ ホモ・ガーデエンシス(生き物とのふれあい「アメニティ・デザイン」;生きられる空間「ふるさとは守護霊」 ほか)
第1章 神仏の庭と人間のにわ(日本式庭園の時代と形式;飛鳥・奈良時代の庭園 ほか)
第2章 日本庭園の技術とこころ(日本式庭園の特色;植栽術―真副対・不等辺三角形 ほか)
第3章 日本の名園三十六景(毛越寺庭園(岩手県)
白水阿弥陀堂(福島県) ほか)
エピローグ ガーデニングからファーミングへ(ガーデンからランドスケープへ;これからは「ガーデニングからファーミングへ」)

著者等紹介

進士五十八[シンジイソヤ]
1944年(昭和9年)、京都市に生まれる。東京農業大学農学部造園学科卒業。農学博士。同大学教授、農学部長、地域環境科学部長を経て、1999年から6年間、学長を務める。その間、日本造園学会長、日本都市計画学会長、東南アジア国際農学会長。同大学教授、同大学院環境共生学専攻指導教授。このほか、政府の自然再生専門家会議、社会資本整備審議会委員。NPO法人の日本園芸福祉普及協会、美し国づくり協会の理事長、世田谷区教育委員などを兼ねる。日本造園学会賞、Golden Fortune賞、土木学会デザイン賞受賞。専攻、造園学、環境計画、景観政策
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

A.T

18
建造物とのコラボと構造美のイタリアやフランス庭園、そして生活環境の好ましさを追求するイングリッシュ・ガーデンがあり…というのはシロウトのわたしでも理解できるのだ。しかし、馴染んでいるはずの日本庭園がわからない。そう思ってこの本を開いた。日本庭園の原風景を「まほろば」と著者は据える。遠景の山々、中景の垣根で幾重にも囲まれたやさしい小宇宙が日本庭園とする。さすれば、一見無機質な龍安寺の石庭も平面図から眺めると、まさしくその通りで、そこは歴史ある庭園の実測調査を長年積み重ねてきた著者の自負がうかがえる。2024/12/08

5
日本庭園の歴史・技法から名園36か所の紹介まで、1冊で日本庭園をざっくり掴むにはちょうどいい内容。「鶴島・亀島ってどう見分けるの?」とか細かい鑑賞法を求めるなら別の本で(細かく書いてたら新書では収まらない…)。枯山水・大名庭園はもちろん明治~昭和の庭園も扱ってるのが好感。写真が大きくてカラーだともっと良かった。行ったことある庭園も全然鑑賞できてないことがわかったので(笑)もう1回この本片手に見に行こうと思う。あと中国(特に杭州西湖)の強い影響も感じたので機会があれば中国も行ってみたい…。2020/05/06

chang_ume

4
庭園原論を学ぶ。「造園」の基礎理論を学ぶにはうってつけの内容でした。庭園史よりもランドスケープデザインあるいは著者が言うところの「環境福祉」の側面が強いかも。教科書的な用法にはマッチしていますね。ただしその意味では、参考文献リストがないのは致命的ではないかと。加えて、ベルサイユなど欧州庭園の発達史をそのまま普遍的な発展段階論にしてしまったり、歴史考証が弱かったりと(歴史理解については観光本レベルです)、ちょっとなと思わせる箇所も目立ちます。長所短所がはっきりした一冊でした。2018/11/12

しゅう

2
ガーデンと庭園、ともに人間がつくりあげた安全で快適な世界を表している。『背山臨水』の環境は、庭園のみならず日本の都市での美しい風景として好まれていることから、庭園にみられる精神性は日本の都市デザインにも通ずるものだ。日本式庭園の自然尊重、石水木へのアニミズム的態度は時代を超えて引き継ぎつつ、古代の池泉式の大らかな空間、中世の鑑賞式、路地式にみられる空間体験への志向、近世の回遊のなかに物語を生み出す構成、近代の自然主義に現れる都市と自然との再接近、など当時の社会を象徴する庭園文化が生まれているのも面白い。2023/04/08

さな

2
日本庭園をどのように鑑賞するべきかをより深く学びたくて手に取った。2章の造園技術の話はおもしろい。特に、橋、垣、園亭の箇所は興味深く読んだ。一方、後半の各庭園を紹介する章は、ほとんどが文章で、写真も白黒だし、仮にカラーであってもあまり上手くない構図で撮られていると思われるので、行ったことのある庭園の話でないと、わかりにくい。また、おそらくこの本をタイトルから手に取る場合、寺社や大名庭園のような庭園に関心があるものと思うが、およそそれとは関係ない庭が取り上げられているのは残念だ。2020/04/04

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