内容説明
数多い英雄たちの複雑な関係、神々も介在する入り組んだ物語、重複や矛盾に満ちた展開…。アポロンやアテナなどの名前は身近であるものの、実は読みこなしにくいギリシア神話だが、古代人の世界観を探るという視点から見ていくと、意外に理解しやすい。本書は、古代ギリシアの詩や悲劇がどんな話をどのように語っているかを踏まえながら、西欧文明にきわめて深い影響を与えた伝承の数々を紹介する。
目次
はじめに ギリシア神話へのいざない
序章 身近に息づくギリシア神話
第1章 世界の始まりと人間の誕生
第2章 華麗なる女神たち
第3章 ギリシア神話における生と死
第4章 オリンピックとギリシア神話
第5章 怪物考現学
第6章 空に輝く神話
第7章 トロイア伝説
おわりに ギリシア人と神話
著者等紹介
西村賀子[ニシムラヨシコ]
1953年(昭和28年)、大阪府に生まれる。京都大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。中京短期大学講師、市邨学園短期大学(現名古屋経済大学短期大学部)助教授、ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ古典学科客員研究員、名古屋経済大学教授を経て、和歌山県立医科大学助教授。専攻、西洋古典文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
29
後世に与えた影響は、ローマ化された神話で、たとえばウェルギリウスのアエネーイス、オウィディウスの変身物語だとのこと ホメロスとアボロドーロスのつぎはそれか。。。。2017/04/03
ヤギ郎
17
ギリシャ神話と古代ギリシャ文学の入門書。ホメロス『イリアス』やオウィディウス『変身物語』(両方とも岩波文庫ででています)を読む前に一度この本を読むと古典の中身をより理解できるだろう。オリンピックとギリシャ神話についての記述やギリシャ神話に登場する怪物についての記述もあって楽しく読める一冊になっている。2015/12/26
マリリン
16
偶然近所の古本屋で見つけた6冊の中の一冊。ギリシャ神話が好きなので数冊読んでいるが、序章から始まり七章は全て興味深い内容だった。特に第五章の怪物考現象は面白い。「一つの声を持ち、朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足のものは何か」という謎かけが登場。ネタバレになるかもしれないが、あの比喩なのかと。第三章の生と死では「生は一度限りのかけがえのない貴重なもの」と記されている。それは当然の事なのだが、文中に登場する事で心に浸透する。挿絵も美しい。2018/06/29
ひろ
15
星座や星占い、オリンピックの起源や単語の語源など、意識しなくとも身近なところにある「ギリシャ神話」の世界。神話の世界の死生観に着目した第三章では深く考えさせられ、五章では英雄たちの引き立て役ではない怪物の意味を学び、六章では夜空の星々が創る神話のストーリーに魅せられる。覚えきれないほど沢山の神様や英雄が出てくるので大変だけど、意外に人間臭い神様の素顔が垣間見えたりするところが面白い。関連する美術作品も多く紹介されており、視覚的にも楽しめるところも良かった。2015/01/25
ラウリスタ~
11
復習としてギリシア神話をさらっとおさらいするのに最適。数あるギリシア神話の紹介本との違いは、歴史的な視点。オリエントの神話との類似点などが興味深い。ギリシア神話を精緻に検討してみると旧約聖書と似たようなエピソードがあったりする、文化的なバックグラウンドに共通のものがあったのだろうか。いずれにしろギリシア神話は面白い。これほど面白い物語をその後人類は作ることが出来たのか?と考えると、古代ギリシア人の転落としての人類観にも頷くべき面があることを認めざるをえない。2011/06/15
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