中公新書
高齢者虐待―実態と防止策

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017567
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C1236

出版社内容情報

在宅、施設における高齢者虐待の実状を明らかにし、虐待防止に向けた国内外の取り組みを報告する。

内容説明

暴力や介護放棄などによる高齢者虐待が問題化している。献身的な介護に努めてきた息子が老親に手を上げる、長引く介護に疲れ果てたお年寄りが配偶者を殺める、といった事件もしばしば報道される。適切なケアが期待される介護施設で虐待が横行している事実も看過できない。誰もが安心して老いを迎えるため、いま何が必要か。家庭や施設における虐待の実情を明らかにし、虐待防止に向けた国内外の取り組みを報告する。

目次

序章 高齢者虐待とは何か
第1章 家庭での虐待(痴呆の母に手をかけた息子;すぐ隣にある虐待 ほか)
第2章 施設での虐待(宅老所で起きた監禁事件;閉鎖的な空間の中で ほか)
第3章 海外では(アメリカ;ノルウェー ほか)
第4章 虐待をどう防ぐか(誰のための介護か;官民の先進的取り組み ほか)

著者等紹介

小林篤子[コバヤシアツコ]
1970年(昭和45年)生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。英国イーストアングリア大学大学院開発学修士課程修了。1995年、読売新聞社入社。甲府支局、地方部を経て、現在、読売新聞東京本社社会部に在籍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

10
これは他人事ではない話。1章は家庭での虐待。すごく切なく悲しい。2章は施設での虐待。今の私にはこれが一番強烈である。リアルだ。職員は勿論、行政にも腹が立つ。3章は海外の虐待事情。欧米中心の話。福祉国家にも虐待はある。4章は防止策。この現実をみんなに知って欲しくなる。虐待しているのも普通の人である。みんな明日は我が身だ。虐待される側としても、する側としても…。2012/11/07

Kaoru

3
20年ほど前の本ではあるが、過去のこととして見過ごすことはできないような悍ましい事件や事象がかかれていて驚いた。介護がストレスになることは避け難いため、家族だけでなく共助や公助をし合うことが大切。2023/10/20

貧家ピー

2
老人に対する家庭・施設での虐待。理想だけでは解決できないだけに難しい。児童虐待に比べると法的整備も遅れている。2004/11/26

きるきる

2
介護の理想を語る本が多いなか、虐待についての本を読んだのは良かった。「高齢化は、単なる平均寿命の延長という観点からみれば、20世紀最大の成果だったとも言える。だが大事なのは、延びた命の質の保証だ」アルゼンチンの大学教授の言葉。海外でのケースを紹介しているのも良かった。もう、国際的な問題なのね。2010/02/24

izumiumi

1
メモ:「高齢者虐待は隠れた暴力です。家庭でも施設でも起こります。誰でも被害者になり得るし、誰もが加害者になり得るのです」p.157 ノルウェーの虐待防止センターのパンフレットから。/「世界各国は取り組み始めた時期の違いこそあれ、どこも児童虐待、ドメスティック・バイオレンス、高齢者虐待の順番で対策をとっているのが現実」p.182/「高齢者を『生産性のない、価値の低い人間』として、社会から排除しようとする気持ちこそが、虐待を許す土壌」p.1832012/09/27

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