出版社内容情報
疲れにくい歩き方から、良い宿を見つけるコツ、温泉を楽しむ秘訣まで、旅名人ならではのノウハウが満載。
内容説明
ひとり旅が自由気ままと思うのは早計というもの。ハードな旅の「お伴」は、厳選された品々でなければならない。旅の名人はみな、独自のスタイルをもっている。山下清の下駄や寅さんの革トランクにしても、愛用するには立派なワケがあるのだ。疲れにくい歩き方や良い宿を見つけるコツから、温泉を楽しむ秘訣、さらには土産選びのヒントまで、達人ならではのノウハウが満載。こころの準備ができたら、さあ旅に出かけよう。
目次
出かける前―まえがきにかえて
島に渡ると
海辺は冬がいい
札所をまわる
坂のある町
キョロキョロする
歩き方のこと
足かクルマか
わが専用車
ステッキをお伴に〔ほか〕
著者等紹介
池内紀[イケウチオサム]
1940年(昭和15年)、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者。主な著訳書に『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞)、ゲーテ『ファウスト』(毎日出版文化賞)などがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
34
詩的で情緒ある文章が魅力の池内流ひとり旅の極意、参考になりました。まぁ、旅は十人十色、各々の流派で良いと思います。著者、最近お亡くなりなった由、ご冥福をお祈りします。2019/12/27
黒猫
30
1日で読了した。ひとり旅は京都へ一度したことがあります。話し相手がいなくて、あまり楽しくなかったという記憶があります。本書は、そんなひとり旅を満喫している池内さんならではのエッセイです。淡々と綴っていくところに、旅人の池内さんを想像しながら読んでいきました。どの土地に行っても付かず離れずの関係で地元の人と楽しむ池内さん。自然体です。しかし、普通の人はなかなか出来るもんではないです。旅行雑誌もアプリも携帯電話なんて持っていったら本当の「旅」はできないよという感じを持ちました。私ものんびり旅をしたいなあ。2018/01/02
獺祭魚の食客@鯨鯢
23
池内氏の軽妙なエッセイ集ですが、山登りについてが特に興味を引きました。 登山に限らず、同行の士がいることは不安感を解消し心強いものの、一方で「気ままさ」を捨てなければなりません。 普段、様々な人間との「摩擦」に磨り減っている人ほど、自分と対話する場をあえて作り出し自分の頭で考える時間を設けるのでなければ、自分を「再生」(Re Create)できないと思います。(レクリエーション) 旅や登山での「おひとりさま」もあえて自分から主体的に臨むのであれば、得るものは格別なものとなるかと思います。2018/12/16
ainyan
15
ふらっと旅に出たくなる。人それぞれ旅のスタイルは異なるものの、思い思いに楽しんでいる。地元を離れた旅先では普段よりも五感が研ぎ澄まされること、夏よりも冬の海が好きなこと、平日の昼間に入る温泉の何とも言えない喜び、郷土料理を土産として持って帰るとなんとなくしょぼくれてしまうこと、旅の戻り道は自分が透明人間のように思うこと、共感。身軽に気ままに、ときには慎重に。2023/04/25
yokmin
15
「さて、どうするかー」 迷ったとき、瞬時に判断する何か。そういったカンをつくるためにも、ひとり旅は有効だ。ひとりきり、自分と対話するための時間。旅にあって、たえず広い世界へと解放される気がするのは、そのせいだ。2012/06/30