中公新書
美学への招待

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017413
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C1270

出版社内容情報

生活の中にある芸術と感性についての素朴な疑問から出発して「美」を哲学する。第一人者による美学入門。

内容説明

二〇世紀後半以降、あらゆる文化や文明が激しく急速に変化しているが、芸術の世界も例外ではない。複製がオリジナル以上の影響力を持ち、作品享受も美術館で正対して行うことから逸脱することが当たり前になってきている。本書は、芸術が、いま突きつけられている課題を、私たちが日常抱く素朴な感想や疑問を手がかりに解きほぐし、美と感性について思索することの快楽へといざなう、最新の「美学入門」である。

目次

第1章 美学とは何だったのか
第2章 センスの話
第3章 カタカナのなかの美学
第4章 コピーの芸術
第5章 生のなかの芸術
第6章 全身を耳にする
第7章 しなやかな応答
第8章 お好きなのはモーツァルトですか?
第9章 近未来の美学

著者等紹介

佐々木健一[ササキケンイチ]
1943年(昭和18年)、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科修了。東京大学文学部助手、埼玉大学助教授を経て、東京大学文学部助教授。現在、同大学大学院人文社会系研究科教授、美学会会長、国際美学連盟会長。日本18世紀学会代表幹事。専攻、美学、フランス思想史。著書に『せりふの構造』(講談社学術文庫、サントリー学芸賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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マウリツィウス

17
【《美学》】シェイクスピアにおける演劇論構築、古典主義/新約主義/現代思想を束ねたジェイムズ・ジョイス思想を統治下に置くのならば現代文明における古典位置も把握出来るのでしょう。ドイツ語化された遺産目録を提出、『新約聖書』『旧約聖書』をNovum/Vetus恣意論から解放する。ルター以降における独語訳聖書を訳文意味から再解釈するならばドイツ語化聖書を意味しない。古典主義における新約意味を再内包、美術史論考主題を導いていく。古典における『新約聖書』、ドイツ語遺産を再導入する。よって正解は「古典主義文明史論」。2014/02/13

takeapple

12
美学って小難しい学問だよなあとずっと思っていたが、娘が専攻していると言うので読んでみた。いやあー、眼から鱗が落ちた思いです。成る程、美しいと言う言葉の意味や、なぜ現代音楽や現代美術より、古典が人気があるのか、それがどう言う意味があるのかなんて考えたことなかったよ。芸術とは誰が決めているのか、成る程ねえ、とっても面白いことだった。とりあえず佐々木先生の他の本読んでみようかなあ。2022/10/16

sankichineko

12
人は画集やCDで藝術のコピーにふれてから、美術館、演奏会でオリジナルを体験し複製の再認になる、というのが現在の文化環境であるとの意見に衝撃を受けました。たしかに現代では、ほとんどの情報は複製から入ってくるかもしれません。しかし「演奏会の演奏」がオリジナルとは、私には考えられません。それはあくまで「演奏家、指揮者の解釈による演奏」であり、本当のオリジナルは作曲者が書き残した譜面なのでは。ほかにも音楽に関しては気になる点がいくつか。リズムを説明しているのに速度標語が出てきたり。それはテンポです・・・。2014/12/03

ネムル

11
在学時に美学の授業で読んだ本、久々に再読。バウムガルテンに始まる美学の概論は一章でさくっとまとめて、以降は「センス」「身体性」「しなやかさ」というキーワードを下に、現代の問題(あるいは美学以外のジャンル)へも接続していくのがユニーク。コピーに関しても、ベンヤミンの複製問題に別のところからアプローチしている。最後の「近未来の美学」という主張が全体から浮いているようにも感じるが、その姿勢は嫌いじゃない。名著。2015/01/31

あっくん

8
美学の入門書かと思ったら、想像していたような入門書では無いことはまえがきにも書かれている。「美と藝術と感性を論ずる哲学」なので、何が美しいとか何が駄目という疑問に答えてくれるものではない。ただ、私は絵や音楽に触れる時、知識に頼って感想を捻り出そうとしていた。「感性」で捉えるの意味がよくわかっていなかった。そこにヒント(考える余地)をもらった気がする。2017/05/03

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