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中公新書
男うた女うた―男性歌人篇

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  • サイズ 新書判/ページ数 188p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017154
  • NDC分類 911.104
  • Cコード C1292

内容説明

千年を超える短歌の歴史のなかで、男たちはさまざまな主題を歌い続けてきた。憧れの女性を射止めた喜び、わが子誕生の感慨、戦場における極限体験、不遇のうちに世を去る無念。さらには、美酒に酔いしれる至福や、スポーツ観戦の興奮までも歌い上げている。本書では『万葉集』から現代短歌までを見渡し、バラエティに富んだ六十首を選りすぐって鑑賞。三十一文字に込められた男たちの思いを鮮やかに蘇らせる。

目次

安見児得たり(藤原鎌足)
かぎろひ(柿本人麻呂)
辞世歌(山上憶良)
不覚の涙(大伴旅人)
遠い船歌(大伴家持)
国家公務員の旅(田口益人)
妻の似顔絵(物部古麻呂)
労働歌(作者未詳)
娘の恋人(作者未詳)
念力パワー(作者未詳)〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

101
歌人の佐々木幸綱氏が選んだ古代から現代までの60首。いい歌ばかりで元日から胸が震えた。骨太の詩情を核にした勢いのある歌が多い。女性にくらべて感情を表にしない男性の胸の内にダイレクトに飛び込めるところが歌の一番の魅力だと思う。「急がずば濡れざらましを旅人のあとより晴るる野路の村雨」。武骨な武将の太田道灌が詠んだ歌がお気に入り。無学なことを恥じて、熱心に短歌を学んだと言う道灌のエピーソドが面白かった。2015/01/01

あきあかね

9
 万葉集から現代短歌まで、男性歌人が詠んだ60首が選ばれている。力強いラグビーの歌で有名な佐佐木幸綱氏が編者なので、読む前は男性的な、いわゆる「ますらをぶり」の歌が中心なのではないかと思っていた。  しかし、朝の雪の中を帰ってゆく恋人を詠んだ歌の爽やかな甘美さ(「君かへす朝の舗石(しきいし)さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ」北原白秋)、南北朝動乱の中の激動の一生とは対称的な凛とした静けさ(「さよふくる窓の燈(ともしび)つくづくと影もしづけし我もしづけし」光厳院)など、優しさや繊細さをはらんだ歌も⇒2019/02/04

AR読書記録

4
「男うた」ということで、多分「女うた」にはないだろうなと思うくくりでもある、酒の歌が印象に残る(女うたにもあったらスミマセン)。「美酒(うまざけ)にわれ酔ひにけりかしらゑひ手ゑひ足ゑひわれゑひにけり」。自分は呑まないし酔う楽しみも知らないけれど、これを読めば酔ったときの体感や気持ちがわかった気になる。うた全体から酒の匂いが立ちのぼっている。「大方はおぼろになりて我が目には白き盃一つ残れる」。そうか、酒だけが現実と酔うた自分をつないでいるものでもあり、でもそれがさらに現実をおぼろにするものでもあり。2016/09/07

ラムネ

3
つくづくと好みしだいだと思う。評判のレストラン、人気の料理、あれ、あんまり美味しくない、なんて思うことがある。そんなに上品なものを持っているわけではないが、口に合わないというか、好きな味ではない。もちろん腕のある料理人のものであれば、基本の技術や知識は優れているのだと思う。けれど時には、何の調理もしていないものが、とびっきり旨かったりもする。食べる方のコンディションにだって影響される。 いいなあと思う歌もあれば、そうでもない歌もある。他でも見たぞという、歌や歌人も増えてきている。長い目で楽しもう。2016/02/25

Waka

2
歌論書のようなものを想像していたが……そうでもなかった。初学者には好ましい易しさかと思う。新古今歌人がゼロ(その前時代の歌人と呼びうるのは西行、崇徳院、平忠度ぐらいか)というのは寂しい。定家、後鳥羽院は当然いるかと思っていた。鎌倉~江戸期の歌人が何人か扱われているのは珍しいほうかと思うが。2019/05/17

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