内容説明
英語力は会話力にあらず。文法無視で、「ペラペラ」しゃべる癖がついてしまうと、そこで学習が頭打ちになる。何ごとも、基本をおろそかにした我流では伸びない。本書は、日本が誇る英語達人も実践し、効果が実証されている学習法を、実例を交えて紹介するものである。
目次
入塾心得
音読―新渡戸稲造に学ぶ
素読―長崎通詞に学ぶ
文法解析―斎藤秀三郎に学ぶ
辞書活用法―岩崎民平に学ぶ
暗唱―幣原喜重郎と岩崎民平に学ぶ
多読―新渡戸稲造と斎藤秀三郎に学ぶ
丸暗記―西脇順三郎に学ぶ
作文―岡倉天心と西脇順三郎に学ぶ
視聴覚教材活用法〔ほか〕
著者等紹介
斎藤兆史[サイトウヨシフミ]
1958年(昭和33年)、栃木県に生まれる。81年、東京大学文学部英語・英米文学科卒業。同大学院人文科学研究科英語英文学専門課程修士課程修了、インディアナ大学英文科修士課程修了、ノッティンガム大学英文科博士課程修了(Ph.D)。東京大学文学部助手、教養学部専任講師を経て、現在、大学院総合文化研究科助教授
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感想・レビュー
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奥澤啓
28
英語のみならず語学(日本語も語学です)習得の王道を説く良書。英語の習得法の本は無数にあり(斉藤氏がよくいう「語学の民間療法」)、それぞれ得るところはあるものの、自身の経験値だけに基づくものは、どこか偏っている。著者は英語の達人であり、日本人の英語受容史に造詣が深く、外国語としての英語教授法や学習法の専門家である。英語学習の本としては、只管朗読や只管筆写を広く知らしめた 国弘正雄氏の名著『英語の話し方』、『国弘流英語の学び方』も根強い人気があるようだ。 2014/10/22
A.T
19
達人レベルは求めていないのだが… とりあえず外国の有名どころの美術館巡りに役立つ程度の英文力をつけたいという理由で読んでみた。今の自分からするとハードルの高さを実感。毎日音読時間を設ける。名文と評価される文章の熟読速読を繰り返し(新渡戸稲造は図書館の英文本読破などとんでもない列伝に唖然)名文リストも明示されているのは助かるが。作文は「持ちネタ」を増やす感覚で日頃から自作の文章を貯めておく、というのが現実的でよかった。2024/03/29
テイネハイランド
17
(1)英語は単なるコミュニケーションの道具(2)従来の日本の英語教育だと、発信型の英語能力(Speaking,Writing)の訓練が不足(3)英米文学研究者以外には、コンラッドなどの難解な文芸作品を読むのは無駄(4)英語力向上につながる新しいメディアは積極的に利用すべきだと思っている私には、著者の学習法は、まず第一に楽しくないし、苦労の割に得られるものが少ないように思われました。著者が自分の英文をP.125に載せていますが、その単語や用法がかなり堅苦しく、お手本にはしたくありませんでした。2017/02/01
KAZOO
16
語学に興味のある私にとっては、非常に参考となる本です。入試をこれから経験する人や大学で英語を専攻する人や、社会人でもう一度基本から勉強する人にとっての英語の学習法のスグレモノだと思います。書いてある通りにやればすべて問題何ないのでしょうがいつも中途半端になってこの本に戻ってきています。基本は英文法で、どのような参考書でもいいので2回読めばいいと書いてあります。それにしたがって江川泰一郎先生の本を読みなおそうかと思っています。2013/01/13
navyblue
15
自分の英語はどんどん衰えていくなぁ、という話をしていてふとこの本のことを思い出した。明治時代の英語の使い手達の英語学習法を参考にしながら、今の私たちが本気で学ぶためのノウハウがぎっしり詰まっている。やはり上達のためにはこのくらいの密度で取り組まなくてはいけないのだ。わかっていたつもりだったが、あらためて思い知ることになった。英語の勉強がスローダウンした時、自分に喝を入れるために何度も読み返したい。2017/11/24
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