出版社内容情報
戊辰の戦火は間近に迫っていた。徳川三百年の恩顧に報いるに、今をおいて時なし――佐幕一途の志に燃えて上総請西藩主の座を捨てた若き林忠崇は、旧幕臣の集う遊撃隊に参加し、人見勝太郎、伊庭八郎らの同志を得る。箱根、小田原で東上する官軍と激突。その後も奥州各地を転戦して抵抗を続けた。戦乱に死すべき命を長らえた忠崇は、官吏、商家の番頭、神主など職を転々とし、昭和十六年、九十四年の生涯を閉じた。
内容説明
戊辰の戦火は間近に迫っていた。徳川三百年の恩顧に報いるに、今をおいて時なし―佐幕一途の志に燃えて上総請西藩主の座を捨てた若き林忠崇は、旧幕臣の集う遊撃隊に参加し、人見勝太郎、伊庭八郎らの同志を得る。箱根、小田原で東上する官軍と激突。その後も奥州各地を転戦して抵抗を続けた。戦乱に死すべき命を長らえた忠崇は、官史、商家の番頭、神主など職を転々とし、昭和十六年、九十四年の生涯を閉じた。
目次
第1章 鳥羽伏見戦争に間に合わず
第2章 「一文字大名」の誇りの下に
第3章 脱藩大名の戊辰戦争
第4章 奥羽越列藩同盟に参加して
第5章 流転と窮乏の歳月
第6章 林家の家格再興運動
第7章 最後の大名、昭和に死す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真香
52
藩主という立場でありながら脱藩し、戊辰戦争で徳川家に忠義を尽くして戦った最後の大名、林忠崇さん。何と昭和16年までご存命でいらっしゃった。今も健在の私の祖母が既に誕生していた年なので、幕末ってそう遠くない出来事だと感じずにはいられない。戦争降伏後はゼロからのスタートで、冷遇されつつも明治から昭和にかけての細々ながらもたくましい生き様が印象的だった。余談だけど、自分の祖父が眠るお墓のすぐ近くに請西藩陣屋跡がある。お墓参りに行くたび、林忠崇さんがこの場所にいたんだな…と思うと、何とも不思議な感じがする。2019/06/01
Porco
20
戊辰戦争期の佐幕派の論理というのは、ちょっと面白いように思いました。肝心の徳川家は恭順で、家の存続も決まって、それでもなお戦うというところが。2017/12/07
林 一歩
17
これは読んどいて損なし。2013/03/31
紫
6
幕末の請西藩主林忠崇の伝記。どうもこの忠崇という方、実は定見が乏しく、他人の主張にひきずられて決断することを繰り返していて、維新後はどんな職に就いても長続きをせず、明治に成功を収めた榎本武揚や人見勝太郎からも信用されていなかったようで、まことに困った殿さまにしか見えないのですね。いったい、どうしたらこの方は落魄人生を免れることができたのでしょうか。「脱藩大名」林忠崇のイメージががらりと変わる、というより、どちらかといえばがらがらと崩れていくような読後感の一冊。史実は創作よりも辛辣なのであります。星4つ。2021/08/09
ジュンジュン
6
林忠崇が二十歳にして大名家を継いだのは、大政奉還のわずか四ヶ月前。維新の最終局面に佐幕派として参加し、戊辰戦争の東北戦争で降伏。"長いその後"は昭和16年まで続き94歳で没。遠い昔の夢物語のように感じながら読み進めていたのが、66歳時(1913年)の剣道着姿の写真(196p)を見てからは一気に親近感が沸いてきた。2019/12/14
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