内容説明
頭に皿を載せ、背中に甲羅を背負った河童。人を川に引き込んだり、相撲を挑む一方、秘薬を伝え、洪水の復興に尽力するなど、この想像上の動物には様々な意味が託されてきた。民話の主人公となり、時に妖怪変化の類にも扱われる河童とは何者なのか。河童の実在を信じて各地に伝承・伝説を訪ね、史料を読み解く著者の前に、歴史のなかで虐げられ、無視され、巧妙に隠匿された弱者たちの姿がおぼろに立ち現れてくる。
目次
第1章 目撃された河童たち(遠野の河童は赤い;捕えられた河童;河童の姿形)
第2章 河童たちの履歴書(河童の誕生;河童の経歴;河童の特技と賞罰)
第3章 河童に秘めた親書
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
eirianda
10
河童がどれほど好きなのだろう。妖怪は遡れば迫害された被差別の人々に結びつく。なんともなぁ…(ため息)2016/09/05
Satoshi
8
日本全国のカッパ伝承を纏めた新書。カッパを辿れば、平家の落武者、被差別部落にも繋がる。日本神話からもカッパに結びつけており、著者のカッパ愛を感じられる。2024/05/06
Yui.M
6
目撃情報が面白い。2016/10/25
月見里
3
これは詳しい。2009/07/13
tamagosandwitch
0
一貫したストーリーがあるわけではない2012/11/17